Defining / Non-defining(制限用法・非制限用法)とは?関係節の違いと使い分けを徹底解説

英語の関係詞節(relative clause)における「defining(制限・限定)」と「non-defining(非制限・継続)」の違い、カンマ(,)の有無による意味の変化、that や which の使い分けルールまで詳しく解説します。

英語の関係詞節(relative clause)を学習する際、避けて通れない最重要テーマが defining(制限用法 / 限定用法)non-defining(非制限用法 / 継続用法) の違いです。

英文法書では restrictive / non-restrictive とも呼ばれます。見た目の違いは「コンマ(,)があるかないか」だけに見えますが、文全体の意味やニュアンスが劇的に変化します。

この記事では、次のポイントをわかりやすく整理します。

  • defining(制限用法)と non-defining(非制限用法)の根本的な意味の違い
  • コンマ(,)がある場合とない場合での「意味の激変」
  • that が使える場合と絶対に使えない場合
  • 関係代名詞の省略ルール(目的格の省略)
  • 文全体を先行詞にする , which の使い方
  • 話し言葉におけるポーズや特徴の違い

1. まず押さえる!Defining と Non-defining の全体像

関係詞節(who, which, that などで始まる節)は、名詞(先行詞)を説明するために使われます。この説明の仕方に 2つの根本的なタイプ があります。

Cambridge Dictionary でも、関係節を「先行詞を特定するために不可欠な情報を提供する defining relative clause」と「すでに特定された名詞に追加情報を添える non-defining relative clause」に分類して説明しています。
[Cambridge Dictionary: Relative clauses: defining and non-defining]

関係節(Relative Clause)の構造図

Relative Clauses(関係節・関係詞節)
├── Defining / Restrictive(制限用法・限定用法)
│    ├── 先行詞を特定・限定するために【不可欠な情報】
│    ├── コンマ(,)は付けない
│    ├── that の使用が可能
│    └── 目的格の関係代名詞は省略可能
└── Non-defining / Non-restrictive(非制限用法・継続用法)
    ├── 先行詞はすでに特定されており【単なる追加・補足情報】
    ├── 前後にコンマ(,)が必須
    ├── that は原則使えない(who, which などを使用)
    └── 関係代名詞は省略不可

※日本の高校英語などでは「制限用法」「非制限用法(または継続用法)」と呼ばれることが一般的ですが、現代の英語圏の辞書や文法書では defining clause / non-defining clause、言語学・学術文法では restrictive / non-restrictive clause という用語が主に使用されます。

2つの用法の決定的な違い(比較表)

項目 Defining(制限用法) Non-defining(非制限用法)
節の役割 先行詞を特定・絞り込む(必須情報) 先行詞に追加の補足説明をする(おまけ情報)
コンマの有無 付けない先行詞 who ... 必ず付ける先行詞, who ...,
that の使用 使える(who/which の代わり) 使えない, that は原則不可)
関係詞の省略 目的格なら省略できる 絶対に省略できない
節を削除すると 文の意味が通じなくなる / 誰・何かわからなくなる 主節だけでも意味が完全に成立する
先行詞の例 the book, a man, students など不特定な名詞 Tokyo, my mother, Mount Fuji などの固有名詞・特定名詞

2. Defining Relative Clauses(制限用法)の特徴と使い方

Defining relative clause(制限用法) は、「どの人か」「どの物か」を聞き手が特定できるように名詞を絞り込む働きをします。この節を省いてしまうと、文が成り立たなくなったり、言いたい意味が正しく伝わらなくなります。

例文で確認

例1:人を特定する(who / that)

The woman who lives next door is a doctor.
隣に住んでいる女性は医者です。)

「The woman is a doctor.(その女性は医者です)」だけでは、どの女性のことかわかりません。「隣に住んでいる」という情報があって初めて、特定の1人の女性が指し示されます。

例2:物を特定する(which / that)と関係代名詞の省略

The book (which / that) I bought yesterday was fascinating.
私が昨日買った本はとても面白かった。)

目的格(bought の目的語)になっているため、whichthat を省略して The book I bought yesterday... と言うことができます。現代英語では、特に会話やカジュアルな文章で、目的格の関係代名詞を省略する形がよく使われます。

Defining の重要ルール

  • コンマは打たない: 先行詞と関係節が一続きの不可分な情報であるため、コンマで区切ってはいけません。
  • that がよく使われる: defining relative clause では that は特によく使われ、ややカジュアルな印象があります。話し言葉でも that が好まれます。
  • 目的格は省略可能: 関係代名詞の後ろに「主語+動詞」が続く場合、関係代名詞を省くことができます。

3. Non-defining Relative Clauses(非制限用法)の特徴と使い方

Non-defining relative clause(非制限用法) は、すでに聞き手にとって特定されている名詞に対して、「ちなみに〜」「ついでに言うと〜」と付加的な補足情報を付け足す表現です。

この節をまるごと削除しても、主節の意味は完全に成立します。書くときは必ず コンマ(, で関係節を挟みます。

例文で確認

例1:固有名詞に補足情報を加える

Kyoto, which was once the capital of Japan, attracts millions of tourists.
(京都は、かつて日本の首都だったのですが、何百万人もの観光客を引きつけています。)

「Kyoto」という固有名詞だけでどの都市か特定されているため、「どの京都か」を絞り込む必要はありません。関係節は単なる歴史的背景の補足です。節を取り除いても Kyoto attracts millions of tourists. で完全に意味が通じます。

例2:人(すでに特定された対象)に補足情報を加える

My father, who is 70 years old, still plays tennis every weekend.
(私の父は、今年70歳になりますが、今でも毎週末テニスをしています。)

「My father」は話し手と聞き手の間で誰のことか特定されているため、関係節で絞り込む必要がありません。「70歳である」という情報をコンマで挟んで付け足しています。

Non-defining の絶対ルール(試験・論文頻出)

  • that は使えない: , that ... とすることはできません。必ず , who ..., which ... を使います。
  • 関係代名詞は省略できない: 目的格であっても who(m)which を省略することはできません。
  • コンマを省略してはいけない: 文中にある場合は前後に2つ(, ... ,)、文末にある場合は手前に1つ(, ... .)のコンマを必ず置きます。

4. 【超重要】コンマ1つで意味が激変する代表的な比較例

Defining と Non-defining の最大の違いは、「事実関係(前提条件)」が変わってしまう点です。有名な例文でニュアンスの違いを比較してみましょう。

比較例1:兄弟は何人いるのか?

Defining(コンマなし) Non-defining(コンマあり)
I have a brother who lives in Paris.
(私にはパリに住んでいる兄[弟]が1人います。)
I have a brother, who lives in Paris.
(私には兄[弟]が1人いて、その人はパリに住んでいます。)
意味する背景:
兄弟が2人以上いる可能性が高い。
「東京に住んでいる兄」や「ロンドンに住んでいる弟」など何人かいる兄弟の中から、「パリに住んでいるほうの兄弟」と特定しています。
意味する背景:
兄弟は1人しかいません。
まず「私には兄弟が1人いる」という事実が確定しており、「ちなみにその人はパリに住んでいる」と追加情報を添えています。

比較例2:事故で誰が助かったのか?

Defining(コンマなし) Non-defining(コンマあり)
The passengers who fastened their seatbelts survived the crash. The passengers, who fastened their seatbelts, survived the crash.
意味:
シートベルトを締めていた乗客「だけ」が助かった。
(シートベルトを締めていなかった乗客は助からなかったことを強く示唆します)
意味:
乗客たちは(全員シートベルトを締めていたのだが)助かった。
(乗客全員がシートベルトを締めており、乗客全員が無事助かったことを意味します)

比較例3:壊れた家は全部か一部か?

Defining(コンマなし) Non-defining(コンマあり)
The houses which were built of wood were destroyed by the fire. The houses, which were built of wood, were destroyed by the fire.
意味:
木造の家だけが焼失した。
(コンクリート造りなど他の構造の家は焼け残った)
意味:
その家々は(すべて木造だったため)すべて焼失した。
(話題にしている家が全滅した)

5. 関係詞ごとの使い分けルール詳細

関係代名詞・関係副詞の種類によって、defining / non-defining で使えるかどうかが決まっています。

関係詞 先行詞 Defining(制限) Non-defining(非制限) 備考
that 人・物 〇 使用可(極めて一般的) 使用不可 , that は文法上誤り
who 人(主格) 〇 使用可 〇 使用可 非制限の主格は who を使用
whom 人(目的格) 〇 使用可(口語では who/that/省略) 〇 使用可(フォーマル) 前置詞の後(to whom 等)
which 物・事・節全体 〇 使用可 〇 使用可 節全体の修飾は which のみ
whose 人・物の所有格 〇 使用可 〇 使用可 先行詞の所有物を示す
where 場所 〇 使用可 〇 使用可 Kyoto, where I lived...
when 〇 使用可 〇 使用可 in 2020, when the pandemic...

🌟 Non-defining 特有:前の文(節全体)を受ける , which

関係代名詞 which の非制限用法には、直前の単語だけでなく「前の文全体(または一部)」を先行詞として受ける非常に重要な働きがあります。これは defining(制限用法)では使えない用法です。

She passed the difficult entrance exam, which surprised everyone.
(彼女はその難関入学試験に合格したが、そのこと(合格したこと全体)が皆を驚かせた。)

ここでの which が指しているのは exam ではなく、「彼女が難関試験に合格したこと(She passed the difficult entrance exam)」という事柄全体です。

前置詞 + 関係代名詞(in which / to whom など)

フォーマルな文章や学術的な文章では、前置詞を関係代名詞の直前に置く形(prep. + which/whom)が用いられます。これは defining / non-defining の両方で使えます。

  • The company has 500 employees, many of whom work remotely.(その会社には500人の従業員がおり、その多くがリモートで働いている。)
  • He presented three solutions, none of which proved effective.(彼は3つの解決策を提示したが、そのどれも有効ではなかった。)

6. 表記ルール・句読点(Punctuation)と発音の違い

書き言葉におけるコンマの打ち方と、話し言葉(スピーキング・リスニング)における特徴を整理します。

① カンマの配置ルール

関係節が文の途中にあるか、文末にあるかでコンマの数が変わります。

  • 文の途中(前後に2つ):
    Mr. Smith, who is our manager, will retire next month.
  • 文末(直前に1つ):
    I had lunch with Mr. Smith, who is our manager.

※文の途中で後ろのコンマを忘れる(Mr. Smith, who is our manager will... ❌)のは非常に多いミスなので注意してください。

② 話し言葉でのポーズ(Pause)の違い

話し言葉でも、2つの用法には発音上の違いが見られます。

  • Defining: 関係節の前後に、non-defining のような明確な区切りを置かずに発音されることが多いです。
  • Non-defining: 話し言葉では、関係節の始まりと終わりで短い休止(ポーズ)が入ることがあります。

※リスニングでは、ポーズは non-defining を判断する手がかりの一つになりますが、ポーズだけに頼らず文全体の意味の流れも確認しましょう。

米英スタイルの違い(Which vs That)

アメリカ英語のスタイルガイド(Chicago Manual of Style や APA Style など)では、「Defining には that を使い、Non-defining には which を使う」という使い分けが推奨されます。
イギリス英語では Defining でも The car which I bought... のように which を使うことが自然とされますが、アメリカ英語のフォーマルな文書では The car that I bought... と書くことが好まれます。

7. 知っておくと役立つ実践テクニックと注意点

① 固有名詞には原則 Non-defining を使う

人名や地名など、聞き手にとってすでに特定されている名詞には、通常 non-defining が使われます。

Tokyo that is the capital of Japan is huge.
Tokyo, which is the capital of Japan, is huge.

② 固有名詞に Defining を使う例外

同姓同名の人が複数いる場合など、「どの人・どの場所なのか」を文脈上限定する必要がある場合は固有名詞に defining(コンマなし)を使うことがあります。

Do you mean the John Smith who works in accounting?
(経理部に勤めているほうのジョン・スミスさんのことですか?)

③ 文を2つに分ける言い換え

Non-defining は「接続詞 + 代名詞(and he / but it など)」で2つの文に分解できます。

I met Sarah, who gave me this book.
I met Sarah, and she gave me this book.(サラに会った。そして彼女がこの本をくれた。)

④ All of which / None of whom パターン

数量を表す語(all, both, some, many, none など)と前置詞 of を組み合わせる形もよく使われます。

He has three daughters, all of whom are lawyers.
(彼には3人の娘がおり、その全員が弁護士です。)

8. FAQ(よくある質問)

Q1. なぜ non-defining では that が使えないのですか?

A. that は defining relative clause では使えますが、non-defining relative clause では使えないという文法上の規則があるためです。
Cambridge Dictionary をはじめとする主要な文法書でも、that は先行詞を特定・限定する defining relative clause に用いる一方、補足情報を添える non-defining relative clause では who や which を用いると明確に規定されています。

Q2. 「制限用法」「限定用法」「継続用法」「非制限用法」と用語が多いですが何が違いますか?

A. 「制限用法=限定用法(defining / restrictive)」、「非制限用法=継続用法(non-defining / non-restrictive)」で同じ意味です。
文法書の著者や時代によって訳語が異なるだけですので、英語学習上は「defining(コンマなし・限定)」と「non-defining(コンマあり・補足)」の2つで把握すれば完璧です。

Q3. non-defining の目的格関係代名詞を省略するとどうなりますか?

A. 文法違反になり、文構造が崩壊します。
例えば My new car, which I bought last week, is fast.My new car, I bought last week, is fast. とすることはできません。省略できるのは defining(コンマなし)の目的格だけです。

Q4. 会話(日常会話)でも non-defining はよく使われますか?

A. 会話でも non-defining relative clause は使われます。
話し言葉では、関係節の前後に短いポーズが入ることがあります。また状況によっては、and he / and she などを使って文を分けて表現することも一般的です。

Q5. コンマの有無で文の意味はどう変わりますか?ライティングで重要ですか?

A. コンマの有無によって文の意味(指示対象)が大きく変わるため、ライティングでは非常に重要です。
セクション4で解説した通り、コンマの有無によって「兄弟の人数」や「助かった人の範囲」など前提とする事実関係が変わります。意図しない意味に取られないよう、正確にコンマを使い分ける必要があります。

Q6. 関係副詞(where や when)も non-defining で使えますか?

A. はい、問題なく使えます。
We visited Paris, where we stayed for three days.(私たちはパリを訪れ、そこに3日間滞在した)や In 2020, when the pandemic started... のように場所や時の名詞に補足情報を添えられます。

Q7. 前の文全体を受ける「, which」の which は省略できますか?

A. 省略できません。
節全体を受ける , which は non-defining の一種であるため、省略することはできません。

Q8. 先行詞が「人」のとき、non-defining では whom ではなく who を使ってもいいですか?

A. 日常的な文章や会話では who を使うのが一般的です。
目的格であっても My uncle, who I haven't seen for years, visited us. のように who が広く使われます。前置詞の直後に置く to whomwith whom はフォーマルな表現であり、日常的な文脈では前置詞を文末に回して who ... with のように言う形も一般的です。

9. まとめ

Defining / Non-defining(制限用法・非制限用法)を正しく使い分けるための最重要ポイントです。

  1. Defining(制限用法): 先行詞を「どれか1つに絞り込む(特定する)」ための不可欠な情報。
  2. Non-defining(非制限用法): すでに特定された先行詞に「ついでに補足説明を添える」追加情報。
  3. コンマ(,)の有無: Defining には付けず、Non-defining には必ず付ける(文中は前後に2つ)。
  4. that の制約: that は Defining で大活躍するが、Non-defining(, that)では使えない
  5. 関係代名詞の省略: Defining の目的格なら省略可能だが、Non-defining は絶対に省略不可
  6. 意味の激変: コンマ1つで「兄弟の数」や「対象の全体か一部か」という前提事実が変わる。
  7. 固有名詞の扱い: Tokyo や人名など特定済みの名詞には原則として Non-defining を使う。
  8. 節全体を受ける which: 直前の文全体を先行詞にできるのは Non-defining の , which のみ
  9. 発音とポーズ: Non-defining では話し言葉で関係節の前後に短い「ポーズ」が入ることがある。
  10. 文の分割: Non-defining は「and / but + 代名詞」でスムーズに言い換えができる。

関係詞節の制限用法・非制限用法は、単なる記号のルールではなく、「話し手がその名詞をすでに特定されたものとして扱っているかどうか」という認知の違いに基づいています。
この感覚をマスターすると、英語のリーディングで筆者の意図を正確に読み取れるようになり、ライティングでも誤解のない正確な英文が書けるようになります。

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