Group Verb(群動詞)とは?句動詞との違い・語順・受動態を徹底解説

英語学習や英会話、長文読解で必須となる群動詞(句動詞・複合動詞)の分類、代名詞を挟む語順ルール、受動態の作り方、フォーマル表現との言い換えまで詳しく解説します。

英語の文章や日常会話で頻繁に登場するのが、日本の学校文法や学習参考書で群動詞(group verb)と呼ばれる表現群です。

look forturn offlook forward totake care of など、2つ以上の語が組み合わさって1つの動詞と同じような働きをする表現を指します。

この記事では、次のポイントを整理して解説します。

  • 群動詞(Group Verb)の基本知識と英語圏での用語の位置づけ
  • Phrasal Verb(句動詞)、Multi-word Verb(複合動詞)、Idiom(イディオム)との違い
  • 日本の学習文法で整理される代表的な4つのパターン
  • turn it offturn off it などの語順ルール
  • 群動詞を受動態(受け身)にするときの重要ルール
  • フォーマルな単一動詞(postponeabandon など)への言い換え

1. まず押さえる!Group Verb(群動詞)とは?

群動詞(group verb) とは、「動詞 + 前置詞」「動詞 + 副詞」「動詞 + 名詞 + 前置詞」のように、2つ以上の単語がまとまって1つの動詞と同じ働きをする表現のことです。

構成する単語を1つずつ直訳するだけでは全体の正確な意味が掴みにくいことが多く、カタマリ(熟語)として扱うのが特徴です。

なお、「群動詞(group verb)」という名称は主に日本の英語教育や受験文法で親しまれている用語です。現代英語学や洋書の英英辞典(Cambridge Dictionary や Oxford Learner's Dictionaries など)では、これらを包括して multi-word verb(複合動詞)phrasal verb(句動詞) と呼ぶのが一般的です。

例えば Cambridge Dictionary では、動詞に副詞や前置詞が結合して1つの意味単位を作る表現を multi-word verbs と呼び、その中に phrasal verbs / prepositional verbs / phrasal-prepositional verbs を分類して解説しています。
[Cambridge Dictionary: Multi-word verbs]

Group Verb の全体像

学習上は、構成する単語の組み合わせによって次のように整理すると理解しやすくなります。

複合動詞/群動詞(Multi-word Verbs / Group Verbs)
├── ① 動詞 + 副詞(Phrasal Verb)
│    └── turn off, give up, pick up など
├── ② 動詞 + 前置詞(Prepositional Verb)
│    └── look for, listen to, rely on など
├── ③ 動詞 + 副詞 + 前置詞(Phrasal-Prepositional Verb)
│    └── look forward to, put up with, catch up with など
└── ④ 動詞 + 名詞 + 前置詞(学習文法における成句的群動詞)
    └── take care of, make use of, pay attention to など

※英英辞典などの文法体系では①〜③を「Multi-word Verbs」の基本分類とし、④のような表現は慣用句的表現(Idiomatic collocations)として扱う場合があります。日本の学習文法では①〜④をまとめて「群動詞」として解説することが一般的です。

代表例で比較

表現 組み合わせ 主な意味 目的語の位置ルール
turn off 動詞 + 副詞 〜を消す、消音する 代名詞は間に挟む(turn it off)
look for 動詞 + 前置詞 〜を探す 目的語は前置詞の後ろ(look for it)
put up with 動詞 + 副詞 + 前置詞 〜を我慢する 目的語は最後(put up with it)
take care of 動詞 + 名詞 + 前置詞 〜の世話をする、処理する 目的語は最後(take care of him)

2. 名称の整理:「Group Verb」「Phrasal Verb」「Idiom」の違い

英語学習において「群動詞」「句動詞」「イディオム(熟語)」といった用語がどのように使い分けられているか整理しておきましょう。

用語 主な使われ方 特徴と範囲
Group Verb(群動詞) 日本の文法書・受験英語 複数の語がまとまって1つの動詞として機能する表現の総称。日本の文法書で広く使われる。
Multi-word Verb / Phrasal Verb(複合動詞/句動詞) 英英辞典・現代英語学 海外の辞書・文法書で最も一般的な呼称。広義には動詞+副詞/前置詞の結合表現全体(Multi-word Verb)を指し、狭義には「動詞+副詞」のみを Phrasal Verb と呼ぶこともある。
Idiom(慣用句・熟語) 言語全般の表現 文字通りの意味から全体構造の意味が推測しづらい慣用表現全般(例:break a leg, once in a blue moon など)。群動詞の中でも特に慣用性の高いものが含まれる。

実用上の整理としては、「日本の学習文法で言う『群動詞』は、海外の教材や辞書における Multi-word Verbs / Phrasal Verbs と重なる概念」と理解しておくとスムーズです。

3. 群動詞の4つの代表的な型と語順ルール

群動詞を使いこなす上で最も重要なのが、目的語を置く位置(語順)です。構成する語の品詞(副詞か前置詞か)によってルールが異なります。

① 動詞 + 副詞(Phrasal Verb / 分離可能な型)

他動詞的な働きをする「動詞 + 副詞」のグループ(turn off, put off, pick up, give up など)では、目的語が「普通の名詞」か「人称代名詞」かで位置が変わります。

【目的語が普通の名詞の場合】(後ろに置くことも、間に挟むことも可能)
・Turn off the light. ⭕
・Turn the light off. ⭕

【目的語が人称代名詞(it, them, him など)の場合】(必ず間に挟む)
・Turn it off. ⭕
・Turn off it. ❌(※不可)

代表的な「動詞 + 副詞」の例

群動詞 意味 代名詞を使った例
put off 〜を延期する put it off
pick up 〜を拾う、車で迎えに行く pick him up
give up 〜をあきらめる、やめる give it up
call off 〜を中止する call it off
carry out 〜を実行する carry it out

② 動詞 + 前置詞(Prepositional Verb / 分離不可の型)

動詞と前置詞が組み合わさって直後に目的語を取るグループ(look for, listen to, run into, rely on など)では、語順を分離して間に目的語を挟むことはできません。目的語が代名詞であっても常に前置詞の後ろに置きます。

・I am looking for my keys. ⭕
・I am looking for them. ⭕
・I am looking them for. ❌(※分離不可)

代表的な「動詞 + 前置詞」の例

群動詞 意味 代名詞を使った例
look at 〜を見る look at it
listen to 〜に耳を傾ける listen to her
run into / come across 〜に偶然出会う / 見つける run into him / come across it
rely on 〜に頼る、信頼する rely on you
look into 〜を調査する look into it

③ 動詞 + 副詞 + 前置詞(Phrasal-Prepositional Verb)

3つの単語がセットになって機能する表現です。目的語は常に最後の前置詞の直後に置きます。

群動詞 意味 例文
look forward to 〜を楽しみに待つ I’m looking forward to seeing you.
put up with 〜を我慢する I can’t put up with this noise.
catch up with 〜に追いつく She walked fast to catch up with him.
get along with 〜と仲良くやっていく He gets along well with his coworkers.
run out of 〜を使い果たす We ran out of gas.

look forward toto は前置詞なので、後ろには動詞の原形ではなく名詞または動名詞(-ing)が続きます。

④ 動詞 + 名詞 + 前置詞(成句的群動詞)

動詞の後に名詞が入り、さらに前置詞が結びついて全体で1つの他動詞のように振る舞うパターンです。日本の英文法で「群動詞」として詳しく解説されます。

群動詞 意味 例文
take care of 〜の世話をする、処理する She takes care of the children.
make use of 〜を利用する You should make use of this opportunity.
pay attention to 〜に注意を払う Please pay attention to the rules.
catch sight of 〜を見つける、ちらりと見る I caught sight of her in the crowd.
find fault with 〜のあら探しをする He always finds fault with my work.

4. 【超重要】受動態(受け身)にするときのルール

テストや資格試験で特に頻出するのが、「群動詞の受動態」です。

鉄則: 群動詞を受動態にするときは、構成する前置詞や副詞を途中で切り離さず、カタマリのまま受動態の形(be + 過去分詞)の後ろに残すこと。

基本例

【能動態】 The nurse took care of the patient.
(看護師がその患者の世話をした。)

【受動態】 The patient was taken care of by the nurse. ⭕
(その患者は看護師に世話をされた。)

このとき、taken care of by のように 前置詞が2つ連続(of と by)して並ぶ ことになりますが、これで問題ありません。of を消してしまうと不自然な英語(❌ The patient was taken care by...)になります。

その他の受動態の例

  • speak to (〜に話しかける)
    ・He spoke to the girl. → The girl was spoken to by him.
  • laugh at (〜を笑いものにする)
    ・They laughed at his idea. → His idea was laughed at by them.
  • run over (〜をひく)
    ・A car ran over the dog. → The dog was run over by a car.
  • look up to (〜を尊敬する)
    ・Everyone looks up to the professor. → The professor is looked up to by everyone.

「動詞 + 名詞 + 前置詞」の受動態(2通りの書き換え)

take care ofpay attention to のような型では、全体の後ろにある目的語を主語にする形が最も一般的ですが、中の名詞を主語にした受動態が作れる場合もあります。

【能動態】 They paid close attention to his speech.

・受動態①(一般的・自然):Close attention was paid to his speech.
・受動態②(文法上可能):His speech was paid close attention to.

5. フォーマル表現(単一動詞)との言い換え

群動詞・句動詞は日常会話や日常の文章で頻繁に使われます。一方、学術論文やフォーマルなビジネス文章では、より簡潔で改まった印象を与える単一動詞(ラテン語・フランス語由来などの1語の動詞)が好まれる傾向があります。

群動詞/句動詞(日常・会話) 対応する単一動詞(フォーマル) 主な意味
put off postpone / delay 延期する
call off cancel 中止する
give up abandon / surrender あきらめる、放棄する
carry out conduct / execute 実行する、実施する
look into investigate 調査する
go on continue / proceed 続ける、進む
find out discover / ascertain 発見する、つきとめる
turn down reject / decline 断る、辞退する

※群動詞がフォーマルな場面で絶対に使えないわけではありませんが、論文や公式文書では単一動詞を選択すると表現が引き締まります。

6. 日常・ビジネスで頻出する重要群動詞一覧

特に覚えておきたい代表的な群動詞をまとめました。

群動詞 分類の型 意味と使い方
set up 動詞 + 副詞 〜を設立する、設定する、準備する
take over 動詞 + 副詞 〜を引き継ぐ、乗っ取る
figure out 動詞 + 副詞 〜を理解する、計算して出す
point out 動詞 + 副詞 〜を指摘する
bring about 動詞 + 副詞 〜を引き起こす、もたらす
come across 動詞 + 前置詞 〜に偶然出会う、出くわす
deal with 動詞 + 前置詞 〜に対処する、処理する
make up for 動詞 + 副詞 + 前置詞 〜を補う、埋め合わせする
come up with 動詞 + 副詞 + 前置詞 (アイデア等)を思いつく
take advantage of 動詞 + 名詞 + 前置詞 〜を(好機として)利用する、活用する

7. 知っておくと役立つ群動詞の豆知識

① 基本動詞のイメージで覚える

群動詞に使われる動詞は get, put, take, look, turn などの基本動詞が中心です。単語を丸暗記するだけでなく、「動詞の核となるイメージ」と「前置詞・副詞の空間的イメージ(off = 離れる・停止、on = 接触・継続、up = 完全・上昇など)」を組み合わせると意味を推測しやすくなります。

② 代名詞を挟む語順のルール

「動詞+副詞」の型で turn it off と言い、turn off it と言わないのは、英語の構文上の規則に基づきます。代名詞のように情報量が軽く短い語は副詞(particle)の前に配置され、長い名詞句は文末側にも置けるという文法的な語順ルールが確立されています。

③ 自動詞と前置詞が作る目的語の構造

本来は単独で目的語を取れない自動詞(例:look, listen, run)でも、前置詞(at, to, into)と結びつくことで、全体として直後に目的語(前置詞の目的語)を導く構造を作ります。

④ 名詞化する群動詞

群動詞の中には、ハイフンで繋いだり1語にまとめたりして名詞になるものがあります。
例:set up(動詞:設定する)→ setup(名詞:設定)、check in(動詞:チェックインする)→ check-in(名詞:チェックイン)。

8. FAQ(よくある質問)

Q1. 群動詞と句動詞は違うものですか?

A. 対象とする表現範囲は基本的に同じです。
日本の英語教育や参考書では「群動詞(Group Verb)」と呼ばれることが多く、海外の文法書や英英辞典では「Multi-word Verb(複合動詞)」や「Phrasal Verb(句動詞)」として分類されるのが一般的です。

Q2. なぜ turn it off と言い、look it for とは言えないのですか?

A. off は「副詞」で、for は「前置詞」だからです。
分離可能な「動詞+副詞」の型では代名詞を間に挟みますが、「動詞+前置詞」の型では前置詞の直後に目的語を置く規則になっています。

Q3. 受動態のときに of by のように前置詞が連続しても大丈夫ですか?

A. はい、正解です。
The patient was taken care of by the nurse. のように、群動詞の構成要素(of)を残したまま受動態にするため、前置詞(または副詞)と by が連続するのが正しい形です。

Q4. 論文では群動詞を使ってはいけませんか?

A. 絶対に禁止ではありませんが、単一動詞が好まれます。
学術論文や契約書では、put off より postponecarry out より conduct などの単一動詞を使う方がよりフォーマルで簡潔な印象を与えます。

Q5. look forward to の後はなぜ動名詞(-ing)なのですか?

A. 最後の to が不定詞ではなく「前置詞」だからです。
前置詞の後ろには名詞相当語句を置くルールがあるため、look forward to meeting you のように動名詞(-ing)または名詞が続きます。

Q6. イディオム(Idiom)との違いは何ですか?

A. イディオムはより広い概念です。
イディオムは文字通りの意味とは異なる慣用表現全般(文節や文全体を含む)を指します。群動詞の中でも特に単語ごとの直訳から意味が予測しにくいものは、イディオム(熟語)の一種として扱われます。

Q7. 群動詞は丸暗記するしかありませんか?

A. 動詞と前置詞・副詞の「コアイメージ」を組み合わせると覚えやすくなります。
例えば off には「分離・停止」のイメージがあるため、turn off(消す)、call off(中止する)、put off(延期する)などが連想しやすくなります。

Q8. 自動詞+副詞(例:take off「離陸する」)は受動態にできますか?

A. いいえ、目的語を取らない自動詞として働く場合は受動態にできません。
ただし take off a coat(上着を脱ぐ)のように他動詞として機能している場合は受動態(The coat was taken off.)にできます。

9. まとめ

Group Verb(群動詞)を理解するための重要ポイントを整理します。

  1. Group Verb(群動詞)は、2語以上がまとまって1つの動詞の働きをする表現
  2. 英語圏や英英辞典では Multi-word Verb(複合動詞)Phrasal Verb(句動詞) と呼ばれる
  3. 「動詞 + 副詞」の型(turn off等): 目的語が代名詞のときは間に挟む(turn it off
  4. 「動詞 + 前置詞」の型(look for等): 目的語は常に前置詞の後ろに置く(look for it
  5. 「動詞 + 副詞 + 前置詞」の型(look forward to等): 3語セットで機能し、最後は前置詞
  6. 「動詞 + 名詞 + 前置詞」の型(take care of等): 日本の学習文法で成句的群動詞として扱われる
  7. 受動態にするときは「構成要素(前置詞・副詞)を落とさずにそのまま受け身にする」
  8. フォーマルな論文やビジネスでは、postponeabandon などの単一動詞への言い換えが好まれる傾向がある

群動詞は、英語の表現力を飛躍的に広げる重要な要素です。単語の丸暗記だけでなく、「語順ルール(代名詞の位置)」と「受動態のカタマリ」を意識して学習を進めていきましょう。

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