英語の文章や日常会話で頻繁に使われるのが indefinite pronoun(不定代名詞) です。
someone、everyone、something、some、all、none、another
などがこれに該当します。特定の人物やモノを直接指すのではなく、「特定されていない人・物・数量など」を指す際に使われます。
※なお、some や all
などの一部の語は、名詞を伴わず単独で使われる際に「代名詞」となり、名詞を修飾する場合は「限定詞(Determiner)」として機能します(詳細は記事後半で解説します)。
この記事では、次のポイントをわかりやすく整理します。
- indefinite pronoun の基本的な意味と役割
- 単数扱い・複数扱い・両方のパターン一覧表
everyoneやnobodyが単数扱いになる理由someとanyの使い分けone/another/other/the other/othersの識別法something newのように形容詞が後ろに置かれる理由- 不定代名詞を受ける人称代名詞(singular they)の注意点
1. まず押さえる!Indefinite Pronoun(不定代名詞)とは?
indefinite pronoun(不定代名詞)は、特定の(definite)人や物を具体的に指すのではなく、特定されていない人物・物体・数量を表す代名詞です。
日本語の「誰か」「何か」「みんな」「どれも〜ない」などに相当します。人称代名詞(he, she,
they)や指示代名詞(this, that)が特定の人や物を指すのに対し、不定代名詞は特定の対象を限定しません。
Cambridge Dictionary でも、indefinite pronoun を「特定の人や物を具体的に指さない代名詞」と説明しています。
Cambridge Dictionary:
Indefinite pronouns
Indefinite Pronoun の全体像
代名詞として使われる際の「動詞の一致(単数・複数)」の観点から、大きく3つのグループに分類するのが効率的です。
├── 常に「単数扱い」のグループ(-one, -body, -thing, each, another など)
├── 常に「複数扱い」のグループ(both, few, many, several など)
└── 「単数・複数両用」のグループ(all, any, more, most, none, some)
└── 受ける名詞(可算・不可算)や文脈によって単数/複数が変化
最も重要なポイントは、「その代名詞が主語(Subject)になるとき、動詞を単数形(is, has, works)にするか複数形(are, have, work)にするか」 というルールを正確に覚えることです。
代表例で比較
| 表現 | 動詞の扱い | 例文 | 意味 |
|---|---|---|---|
| Everyone | 常に単数 | Everyone is here. |
みんな(全員)がここにいる。 |
| Both | 常に複数 | Both are correct. |
両方とも正しい。 |
| Some (不可算) | 単数扱い | Some of the water is left. |
水が少し残っている。 |
| Some (可算複数) | 複数扱い | Some of the students are absent. |
生徒の何人かが休んでいる。 |
2. 分類と一覧表:単数形・複数形の文法ルール
不定代名詞が主語になるときの動詞の一致(Subject-Verb Agreement)をグループ別に見ていきます。
① 常に「単数扱い」の不定代名詞
末尾が -one、-body、-thing
で終わる語や、each、another
などは、日本語で「みんな」と訳す場合でも文法上は常に単数(singular)として扱います。
| 分類 | 語形 | 意味 |
|---|---|---|
| -one 系 | someone / anyone / everyone / no one | 誰か / 誰でも / 全員 / 誰も〜ない |
| -body 系 | somebody / anybody / everybody / nobody | 誰か / 誰でも / 全員 / 誰も〜ない |
| -thing 系 | something / anything / everything / nothing | 何か / 何でも / 全て / 何も〜ない |
| 個・その他 | each / another / one / either / neither | それぞれ / もう1つ / 1人(つ) / どちらか / どちらも〜ない |
例文
- Everyone knows the rule.(みんながそのルールを知っている。※knowsと単数動詞)
- Nothing is impossible.(不可能なことは何もない。)
- Each of the students has a dictionary.(生徒のそれぞれが辞書を持っている。)
② 常に「複数扱い」になる不定代名詞
代名詞として複数要素を直接指し示す語は、主語になるとき常に複数(plural)として扱います。
| 不定代名詞 | 意味 | 動詞の形 |
|---|---|---|
| both | 両方 | 複数動詞(are, have, do) |
| few / a few | ほとんどない / 少数ある | 複数動詞(are, have, do) |
| many | 多くのもの・人 | 複数動詞(are, have, do) |
| several | いくつかのもの・人 | 複数動詞(are, have, do) |
| others | 他の人々・他のもの | 複数動詞(are, have, do) |
例文
- Both of my brothers live in London.(私の兄弟は2人ともロンドンに住んでいる。)
- Few were able to solve the problem.(その問題を解けた者はごく少数だった。)
- Several of the applicants have passed.(志願者のうち数名が合格した。)
③ 単数・複数「両方」になり得る不定代名詞
some、all、none、any、most、more
などは、指し示す対象が「不可算名詞(数えられない名詞)」か「可算名詞の複数形」かによって動詞の形が変わります。(学習参考書などでは、頭文字をとって SANAM
代名詞 や SANAM ルールと呼ばれることもあります)
| 代名詞 | 不可算名詞を受ける場合(単数) | 可算名詞の複数形を受ける場合(複数) |
|---|---|---|
| all | All of the money was stolen. |
All of the students were present. |
| some | Some of the juice is left. |
Some of the apples are rotten. |
| most | Most of the information is correct. |
Most of the people agree with you. |
| none | None of the food was eaten. |
None of the members have/has arrived. |
none の単数・複数扱いについて
none of + 複数名詞 の場合、伝統的でフォーマルな文章・厳密な試験では単数扱い(has /
is)が好まれる傾向がありますが、現代の日常会話や一般的な文脈では複数扱い(have / are)も非常に広く使われています。
3. 【要点整理】some と any の使い分け
some と any は代表的な不定代名詞(および限定詞)ですが、基本ルールと文脈に応じたニュアンスの違いがあります。
| 語句 | 主な文脈 | ニュアンス・意味 |
|---|---|---|
| some | 肯定文、肯定の応答を期待する疑問文 | 「いくつかのもの・人」(存在を想定・認識している) |
| any | 否定文、通常の疑問文、強調の肯定文 | 「どれも〜ない(否定)」「どれか(疑問)」「どれでも(肯定)」 |
疑問文での some の例外(依頼・勧誘)
疑問文であっても、相手に「Yes」と答えてほしい勧誘や依頼の文では some を使います。
[依頼] Can I have some water?(お水を少しいただけますか?)
肯定文での any の例外(「どれでも/誰でも」)
any を肯定文で使うと、「どれでも」「誰でも」「どんな〜でも」という強調の意味になります。
4. 【図解】one / another / other / the other / others の整理
英語学習者が混同しやすい「ほかのもの・人」を表す表現の組み合わせを整理します。
・2つ(人)あるうちの: 1つは
one、残りの1つは the other・3つ以上ある場合: 1つは
one、不特定の「もう1つ」は
another、特定された残り(1つ/複数)は
the other または the others・不特定の複数: いくつかは
some、他の不特定のいくつかは others・全体を2群に分ける: 一方は
some、残りの全グループは the others
| 表現 | 単数/複数 | 特定/不特定 | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| another | 単数 | 不特定(an + other) | 代名詞/限定詞(もう1つ、別の1つ) |
| the other | 単数 | 特定(the + other) | 代名詞/限定詞(2つのうちの残りの1つ) |
| others | 複数 | 不特定 | 代名詞専用(他の人々・もの) |
| the others | 複数 | 特定 | 代名詞専用(残りの全グループ) |
例文で確認
- I have two dogs. One is white, and the other is
black.
(犬を2匹飼っています。1匹は白で、もう1匹は黒です。) - This cup of coffee is great. Can I have
another?
(このコーヒーは美味しいですね。もう1杯いただけますか?) - Some people like tea, while others prefer
coffee.
(お茶を好む人もいれば、コーヒーを好む人もいる。)
5. 知っておくべき発展的な文法ルール
① 単数不定代名詞を代名詞で受ける場合(Singular "They")
everyone、someone、nobody
などは文法上「単数扱い」ですが、性別を限定しない一般的な人々を指すため、後続の代名詞で受ける際は伝統的な he or she の代わりに
they / their / them(単数の they)を使うのが現代英語の標準です。
(全員が各自のノートパソコンを持参してください。)
※ Everyone 自体は単数扱い(現在形なら has や is などの単数動詞をとる)ですが、受ける代名詞・所有格には their / them が使われます。
② 修飾語(形容詞)が後ろに置かれるルール
通常、英語の形容詞は名詞の前に置かれます(例:a new
car)。しかし、something、anything、someone
などの不定代名詞を形容詞で修飾する場合、形容詞は通常、代名詞の後ろ(後置修飾)に置かれます。
| 正しい表現(後置修飾) | 誤った表現 | 意味 |
|---|---|---|
| something new | ❌ new something | 何か新しいこと |
| someone important | ❌ important someone | 誰か重要な人 |
| anything interesting | ❌ interesting anything | 何か面白いこと |
6. 代名詞(Pronoun)と限定詞(Determiner)の違い
some、all、each、many
などの単語は、単独で使われる場合は代名詞(Pronoun)になり、後ろに名詞を伴う場合は限定詞(Determiner)になります。
| 単語 | 代名詞としての用法(Pronoun) | 限定詞としての用法(Determiner) |
|---|---|---|
| Some | Some remained silent.(黙ったままの人もいた) |
Some students left early.(数人の生徒が早く帰った) |
| All | All was quiet.(すべてが静かだった) |
All members attended.(メンバー全員が出席した) |
| Each | Each was given a prize.(それぞれに賞が授与された) |
Each child received a gift.(それぞれの子供が贈り物を受け取った) |
7. 知っておくと役立つ不定代名詞の豆知識
① No one だけスペースが入る
複合不定代名詞(someone, anyone,
everyone)は1単語で書きますが、no one だけは原則として2単語(スペース区切り)で書きます(ハイフンをつけて
no-one と書くこともあります)。
② -body と -one の違い
someone / somebody、everyone /
everybody は基本的に同じ意味で入れ替え可能です。ただし、-one
で終わる語のほうがフォーマルな文章や書き言葉で好まれる傾向があります。
③ Every は単独の代名詞として使えない
every は限定詞(形容詞的役割)としてしか使えないため、Every is here.
のように代名詞として単独で使うことはできません。必ず
everyone または every student のように表現します。
④ Anything but と Nothing but
nothing but ~ は「〜にほかならない、〜に過ぎない(only)」の意味になり、anything but ~
は「〜からはほど遠い、決して〜ではない(far from)」の意味になります。
8. FAQ(よくある質問)
Q1. indefinite pronoun とは何ですか?
A. 日本語で「不定代名詞」と呼ばれる英文法用語です。
特定の人や物を直接指すのではなく、「誰か」「全員」「何か」「どれも〜ない」など特定されていない人・物・数量を指す代名詞のことです。
Q2. Everyone は「みんな」という意味なのに、なぜ単数扱いなのですか?
A. 集団の中の「一人ひとりに着目している」文法概念だからです。
「全員」というグループ全体ではなく、「すべての個々人」を指すため、Everyone is... や Everyone has...
と単数動詞を使います。
Q3. some と any の違いは何ですか?
A. 原則として肯定文には some、否定文・疑問文には any を使います。
ただし、「〜はいかがですか?」という勧誘・依頼の疑問文では some を使い、「どれでもいい」という強調の肯定文では any を使います。
Q4. none は単数扱いですか?複数扱いですか?
A. 受ける名詞や文脈によって異なります。
不可算名詞を受ける場合は単数(None of the money is...)、可算名詞複数形を受ける場合は現代英語では単数・複数どちらも使われます(None of them
is/are...)。
Q5. another と other の違いは何ですか?
A. an + other(単数・不特定)か、other(名詞を修飾する限定詞など)かの違いです。
別の1つ(単数)を代名詞や限定詞で指す場合は another を使い、他の複数や名詞を修飾する場合は other / others を使い分けます。
Q6. something の後ろに形容詞が来るのはなぜですか?
A. -thing, -body, -one で終わる不定代名詞の語法ルールです。
new something とは言えず、必ず something new のように形容詞を後置修飾します。
Q7. each は単数扱いですか?
A. はい。each は常に単数扱い(singular)です。
Each of the students has a book. のように動詞は単数形になります。
Q8. Everyone には have ですか? has ですか?
A. has(単数形)が正解です。
Everyone has a role to play.(誰もが果たすべき役割を持っている)のように使います。
9. まとめ
Indefinite Pronoun(不定代名詞)をマスターするための重要ポイントを整理します。
- Indefinite Pronoun は、特定されていない人・物・数量を表す代名詞
-one,-body,-thingで終わる語は常に単数扱い(Everyone is...)both,few,many,severalは代名詞として用いる場合常に複数扱いsome,all,most,noneは受ける名詞によって単複が決まる- 肯定文には
some、否定文・疑問文にはanyが基本 - 相手に勧誘・依頼する場合は疑問文でも
someを使用 - 2つのうちの残りは
the other、不特定のもう1つはanother somethingやanyoneを修飾する形容詞は後ろに置く(something special)- 単数不定代名詞を受ける後続の代名詞は singular
they / their / themが標準 - 単独で主語になれる「代名詞」と名詞を修飾する「限定詞」を区別する
不定代名詞は、文法テストでの主語と動詞の一致(Subject-Verb Agreement)問題はもちろん、日常英会話や英作文でも非常に頻出する要素です。
単数・複数のルールや組み合わせ(one / another / the other / the others)を整理して覚えることで、英語表現の正確性が一気に向上します。
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