Intransitive Verb(自動詞)とは?他動詞との違い・見分け方・使い方を徹底解説

英文法や辞書で必ず出会う「自動詞(Intransitive Verb)」。目的語を必要としない動詞の性質や、他動詞(Transitive Verb)との重要な違い、前置詞との組み合わせ、間違いやすい動詞リストまでわかりやすく解説します。

英語の動詞を理解する上で、最も基本的かつ重要になるのが intransitive verb(自動詞)transitive verb(他動詞) の分類です。

smile(微笑む)、arrive(到着する)、sleep(眠る)などの自動詞は、動作の対象となる目的語(〜を・〜に)を直接後ろに置きません。一方で、この区別を曖昧にしていると「受動態の誤用」や「前置詞の付け忘れ・つけすぎ」といった文法エラーが発生しやすくなります。

この記事では、次のポイントをわかりやすく整理します。

  • intransitive verb(自動詞)の基本的な意味と役割
  • 自動詞(Intransitive)と他動詞(Transitive)の主な違い
  • 完全自動詞(SV)と不完全自動詞(SVC)の分類
  • 辞書での表記(vi.[I])の見方
  • look atlisten to など「自動詞+前置詞」の使い方
  • rise / raiselie / lay など間違いやすい動詞ペア
  • 自動詞を受動態にできない理由や間違えやすい文法ルール

1. まず押さえる!Intransitive Verb は「目的語をとらない動詞」

intransitive verb(自動詞)とは、動作の影響を直接受ける目的語(Direct Object [O])を必要としない動詞のことです。

主語(S)と動詞(V)だけで意味が成り立つか、あるいは主語の状態を説明する補語(C)を伴って文を作ります。日本語では「(主語が)〜する」「〜である」というように、動作や状態が主語自身で完結するイメージです。

Cambridge Dictionary では、intransitive verb を「直接目的語を必要としない動詞」と説明しており、arrivedierainsleep などの例を挙げています。
[Cambridge Dictionary: Verb patterns: with and without objects]

Intransitive Verb(自動詞)の位置づけ

英語の動詞構造は、次のように整理することができます。

Verb(動詞)の文型分類
├── Intransitive Verb(自動詞)【目的語 O をとらない】
│ ├── Complete Intransitive Verb(完全自動詞) → 第1文型(S + V)
│ └── Incomplete Intransitive Verb(不完全自動詞) → 第2文型(S + V + C)
└── Transitive Verb(他動詞)【目的語 O を必要とする】
    ├── S + V + O (第3文型)
    ├── S + V + O1 + O2 (第4文型)
    └── S + V + O + C (第5文型)

代表例で比較

英文 動詞 文構造(文型) 特徴
The sun rises. rises S + V(第1文型) 目的語なしで意味が完結する
Birds fly in the sky. fly S + V + M(第1文型) in the sky は修飾語(M)
She looks happy. looks S + V + C(第2文型) happy は主語を説明する補語(C)
He raised his hand. raised S + V + O(第3文型・他動詞) his hand という目的語(O)が必要

2. 関連語:「Intransitive」と「Transitive」の違い

文法用語としての intransitivetransitive は対になる概念です。

用語 品詞 / 略記 意味・文法上の定義
intransitive verb 名詞 / vi. / [I] 自動詞:目的語(O)をとらない動詞
transitive verb 名詞 / vt. / [T] 他動詞:目的語(O)を必要とする動詞
intransitive 形容詞 (動詞が)自動詞の、目的語をとらない
transitive 形容詞 (動詞が)他動詞の、目的語をとる

語源と理解のヒント

語源的には、transit(通過する・移る)に由来します。接頭辞 in- は否定(〜でない)を意味するため、次のようにイメージすると記憶に残りやすくなります。

  • transitive(他動詞): 動作の影響が他の名詞(目的語)へ「移っていく(transit する)」動詞。
  • intransitive(自動詞): 動作の影響が他へ「移っていかない(in- + transit)」主語自身の完結した動詞。

発音

  • intransitive:イントランシティヴ(/ɪnˈtræn.sə.tɪv/)
  • transitive:トランシティヴ(/ˈtræn.sə.tɪv/)

3. 自動詞の2つのタイプ(完全自動詞 vs 不完全自動詞)

自動詞は、補語(Complement [C])を必要とするかどうかによって、大きく2種類に分類されます。

① Complete Intransitive Verb(完全自動詞:第1文型 S + V)

完全自動詞は、補語(C)も目的語(O)も必要とせず、主語と動詞だけで意味がしっかりと成立する動詞です。

実際の文章では、時や場所、態様を示す「副詞句・前置詞句(M=修飾語)」が伴うことが非常に多いですが、これらは文構造の主要要素(S, V, O, C)にはカウントされません。

完全自動詞 例文 文脈解説
arrive The train arrived on time. on time は修飾語(M)
sleep The baby sleeps peacefully. peacefully は副詞(M)
occur / happen An accident occurred yesterday. yesterday は副詞(M)
die Many trees died during the cold winter. during the cold winter は前置詞句(M)
exist Hope still exists. still は副詞(M)

発音と使い方のポイント

完全自動詞の後ろに名詞を置く場合は、そのまま置くことはできず、必ず arrive at the stationlive in Tokyo のように前置詞が必要になります。

② Incomplete Intransitive Verb / Linking Verb(不完全自動詞:第2文型 S + V + C)

不完全自動詞は、目的語(O)は取りませんが、主語の状態や変化を補うための補語(C)を必要とする動詞です。

主語と補語の間に「S = C」の関係が成り立ちます。文法用語では Linking Verb(連結動詞)Copula(系動詞) とも呼ばれます。

不完全自動詞 例文 主語と補語の関係(S = C)
be (is, are...) She is a doctor. She = a doctor(彼女は医師である)
become He became famous. He = famous(彼は有名になった)
look You look tired. You = tired(あなたは疲れて見える)
seem The story seems true. The story = true(その話は本当らしく思える)
feel I feel happy today. I = happy(私は幸せに感じる)
stay / remain The room remained quiet. The room = quiet(部屋は静かなままだった)

補語(C)になれる品詞

第2文型を作る不完全自動詞の補語(C)には、主に形容詞または名詞が置かれます(副詞を置くことはできません)。

[正しい例] She looks beautiful.(形容詞)
[誤り例] She looks beautifully. ❌(副詞は補語になれない)

4. 自動詞(Intransitive)と他動詞(Transitive)の見分け方

英語学習者が最も混同しやすいのが、「この動詞は自動詞なのか他動詞なのか」という見分けです。

簡単に見分けるチェック質問

【判別ルール】動詞の後ろに「〜を / 〜に」を直接つけられるか?
・動詞のすぐ直後に「名詞(〜を)」を置いても自然なら 他動詞(Transitive)
・動詞の直後に名詞を置けず、前置詞(at, to, in, on...)を挟む必要があるなら 自動詞(Intransitive)

混同しやすい英語動詞のペア

形や意味が似ているため、誤用が発生しやすい代表的な「自動詞 vs 他動詞」の対照表です。

自動詞(intransitive) 意味・例文 他動詞(transitive) 意味・例文
rise
(rise-rose-risen)
(上がる、昇る)
The sun rises.
raise
(raise-raised-raised)
(〜を上げる、〜を育てる)
Raise your hand.
lie
(lie-lay-lain)
(横たわる、ある)
I lie on the bed.
lay
(lay-laid-laid)
(〜を横たえる、置く)
Lay the book here.
sit
(sit-sat-sat)
(座る)
Please sit down.
seat / set (〜を座らせる、置く)
Seat yourself. / Set the table.
arrive (at/in) (到着する)
Arrive at the station.
reach (〜に到着する)
Reach the station.
listen (to) (耳を傾ける)
Listen to music.
hear (〜が聞こえる)
Hear a noise.
look (at) (視線を向ける)
Look at the picture.
see / watch (〜を見る)
See a movie. / Watch TV.

5. 注意すべき自動詞の文法ルール・使い方

① 自動詞は「受動態(Be + 過去分詞)」にできない

受動態(〜される)とは、能動態の「目的語(O)」を文頭に持ってくる構文です。

自動詞はそもそも目的語(O)を持たない動詞であるため、原則として受動態の形を作ることができません

[正しい能動態] An accident happened yesterday.(事故が昨日起きた。)
[文法的な誤り] An accident was happened yesterday. ❌(happen は自動詞なので受動態不可)

disappear(消え去る)、occur(発生する)、exist(存在する)なども同様に受動態にはできません。

② 前置詞とセットで目的語をとる(自動詞 + 前置詞)

自動詞が直後に名詞(対象)を取りたい場合は、前置詞を仲介させて「前置詞動詞(Prepositional Verbs)や句動詞(Phrasal Verbs)」などの複合的な表現を作ります。

自動詞 + 前置詞 全体での意味 例文
look at 〜を見る Look at the board.
listen to 〜を聞く She listens to the radio.
wait for 〜を待つ I am waiting for a bus.
apologize to ... for (人)に(理由)で謝罪する He apologized to her for the delay.
complain about 〜について不平を言う They complained about the noise.
object to 〜に反対する I object to this proposal.

③ 自動詞と他動詞の両方の意味を持つ動詞

英語の動詞の多くは、文脈によって自動詞([I])としても他動詞([T])としても機能する(Ambitransitive)性質を持っています。

動詞 自動詞として([I] 目的語なし) 他動詞として([T] 目的語あり)
run He runs fast.
(彼は速く走る)
He runs a company.
(彼は会社を経営している)
open The door opened.
(ドアが開いた)
She opened the door.
(彼女はドアを開けた)
change Times change.
(時代は変わる)
I changed my mind.
(考えを変えた)
start The game starts at 7.
(試合は7時に始まる)
They started a new business.
(新事業を始めた)

6. 英語学習・辞書でよく見かける表記と関連用語

辞書や参考書で単語を調べるとき、自動詞・他動詞の表記を正しく読めるようにしておきましょう。

記号 / 略語 英語の正式名称 解説
[I] intransitive 英英辞書(Cambridge, Oxford等)で自動詞を表す記号
vi. / v.i. verb intransitive 英和辞典などで自動詞を表す略記
[T] / vt. transitive / verb transitive 他動詞を表す記号・略記
[I or T] intransitive or transitive 自動詞・他動詞の両方の用途がある動詞
S, V, O, C, M Subject, Verb, Object, Complement, Modifier 文の要素(主語・動詞・目的語・補語・修飾語)

7. 知っておくと役立つ自動詞の豆知識・落とし穴

① 前置詞を「つけたくなる他動詞」に注意

日本語訳の影響で、自動詞のように見えて前置詞をつけてしまいがちな他動詞があります。

  • discuss about the problem ❌ → discuss the problem ⭕(他動詞)
  • marry with her ❌ → marry her ⭕(他動詞)
  • reach to the station ❌ → reach the station ⭕(他動詞)

② 前置詞を「忘れてしまいがちな自動詞」

逆に、目的語を置く際に前置詞が絶対に不可欠な自動詞です。

  • apologize the customer ❌ → apologize to the customer
  • arrive the airport ❌ → arrive at the airport
  • graduate high school ❌ → graduate from high school

③ 能動態なのに受動的な意味を表す自動詞

一部の自動詞は、能動態(S + V)の形のままで「〜される」「〜という性質がある」という意味を表すことがあります。
This book sells well.(この本はよく売れる。)
This shirt washes easily.(このシャツは簡単に洗える。)

④ 状態変化を表す不完全自動詞(Become型)

第2文型を作る不完全自動詞(Linking Verbs)には、状態の変化(〜になる)を表す動詞が数多くあります。
go bad(腐る)
come true(実現する)
turn red(赤くなる)
fall asleep(眠りに落ちる)

8. FAQ(よくある質問)

Q1. intransitive verb とは何ですか?

A. 日本語で「自動詞」を意味します。
直後に目的語(Direct Object [O])を必要とせず、主語と動詞(S+V)、あるいは補語(S+V+C)で意味が成り立つ動詞です。

Q2. なぜ自動詞は受動態(be + 過去分詞)にできないのですか?

A. 受動態を作るための「目的語(O)」が存在しないからです。
受動態は「能動態の目的語を主語にする」文法操作であるため、目的語を持たない自動詞(happen, arrive, dieなど)は受動態を作れません。

Q3. arrive と reach の使い分けはどう違いますか?

A. arrive は自動詞、reach は他動詞です。
場所を表す名詞を続ける際、arrive at/in the station のように前置詞が必要なのが arrive(自動詞)で、reach the station のように前置詞なしで直接名詞を置くのが reach(他動詞)です。

Q4. lie と lay の違い・活用を教えてください。

A. lie は自動詞(横たわる)、lay は他動詞(〜を横たえる)です。
・自動詞 lie の活用:lie - lay - lain - lying
・他動詞 lay の活用:lay - laid - laid - laying
自動詞 lie の過去形が lay であるため特に混同しやすいポイントです。

Q5. run は自動詞ですか?他動詞ですか?

A. 両方の使い方があります([I or T])。
He runs fast.(走る)は自動詞ですが、He runs a restaurant.(〜を経営する)は目的語(a restaurant)を取るため他動詞です。

Q6. happen や disappear が was happened にできないのはなぜですか?

A. これらが純粋な自動詞(完全自動詞)だからです。
「事故が起きた」を英語にする際、日本語の「〜された」の響きに引っ張られて An accident was happened. ❌ と誤記しがちですが、正しくは An accident happened. となります。

Q7. 辞書の [I] や vi. はどういう意味ですか?

A. 自動詞(intransitive verb)を表す辞書の記号です。
[I] は Cambridge Dictionary など英英辞書でよく使われ、vi.(verb intransitive)は日本の英和辞典等でよく使われます。

Q8. look at や listen to のような「自動詞+前置詞」は全体で他動詞扱いですか?

A. 機能的には「前置詞動詞」などとして、後ろに目的語を伴う表現として働きます。
動詞単体(look / listen)は自動詞ですが、前置詞を伴うことで(look at / listen to)後ろに直接名詞(目的語)を置くことができます。

9. まとめ

Intransitive Verb(自動詞)をマスターするための要点を整理します。

  1. Intransitive Verb(自動詞)は、目的語(O)をとらない動詞
  2. 辞書では [I]vi. と表記される
  3. 完全自動詞は第1文型(S + V)を作り、不完全自動詞は第2文型(S + V + C)を作る
  4. 目的語をとらないため、原則として受動態(be + 過去分詞)にはできない
  5. 直後に名詞を置く場合は、look atarrive at のように前置詞が必要
  6. rise / raiselie / lay などの「自動詞 vs 他動詞」のペアに注意する
  7. 多くの英語の動詞は、文脈によって自動詞と他動詞の両方の働きをする

自動詞と他動詞の区別ができるようになると、英文法の文型理解(SV, SVC, SVOなど)が格段に深まり、前置詞の選択ミスや受動態の誤用を防ぎやすくなります。
新しい動詞を覚える際は、単語の意味だけでなく「自動詞なのか他動詞なのか」をセットで確認する習慣をつけましょう。

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