Object(目的語)とは?種類・補語との違い・使い方を徹底解説

英語の文構造を理解するうえで不可欠な「Object(目的語)」の役割、直接目的語・間接目的語・前置詞の目的語の違い、補語(Complement)との簡単な見分け方まで詳しく解説します。

英文法における object(目的語) とは、「動作や前置詞の対象となる語句」 のことです。

例えば I play tennis.(私はテニスをします)という文では、tennis が動詞 play の動作を受ける目的語になります。

この記事では、英文の骨組み(文型)をマスターするために必要な次のポイントを整理します。

  • Object(目的語)の基本機能と役割
  • 直接目的語(Direct Object)と間接目的語(Indirect Object)の違い
  • 前置詞の目的語(Object of a Preposition)
  • Object / Objective / Objective Case の違い
  • 目的語(O)と補語(C)の見分け方
  • 目的語になれる語句(動名詞・不定詞・名詞節など)
  • 仮目的語(it)や同源目的語などの応用知識

1. まず押さえる!Object は「動作・関係の対象」

object は、動詞が表す動作や、前置詞が示す関係の「相手・対象(〜を、〜に)」となる語句を指します。

日本語では「目的語」と訳されます。英語の基本文型(SVO, SVOO, SVOC)の中心的な要素であり、主に 名詞・代名詞(または名詞に相当する語句) がその役割を果たします。

Cambridge Dictionary でも、object を「動詞の動作の影響を受ける、または前置詞の後ろに続く名詞や名詞句」と説明しています。
Cambridge Dictionary: Objects

Object の全体像

文法上の分類としては、主に以下の3種類があります。

Object(目的語)
├── Direct Object (DO: 直接目的語) ── 「〜を」(動作の直接の対象)
├── Indirect Object (IO: 間接目的語) ── 「〜に」(動作の受け手・受益者)
└── Prepositional Object(前置詞の目的語)── 前置詞の後に置く名詞句

代表例で比較

英文の例 目的語の種類 該当する語 意味(日本語)
I ate an apple. Direct Object an apple りんご食べた(直接目的語)
She gave me a present. Indirect Object me プレゼントをくれた(間接目的語)
She gave me a present. Direct Object a present 私にプレゼントくれた(直接目的語)
They live in Tokyo. Prepositional Object Tokyo 東京(前置詞 in の目的語)

2. 関連語:「Object」「Objective」「Objective Case」の違い

object に関連する文法用語や同根語を整理します。

語句 品詞 / 役割 文法・英語での意味
object 名詞 / 動詞 【文法】目的語 / 【一般】物体、目的 / 【動詞】反対する(object to)
objective 形容詞 / 名詞 【形容詞】客観的な / 【名詞】目標、目的
objective case 文法用語 【文法】目的格(me, him, her, us, them など)

例文

  • In “I like coffee”, “coffee” is the object.
    (「I like coffee」では、coffee が目的語です。)
  • Our main objective is to satisfy customers.
    (私たちの主な目標は顧客を満足させることです。)
  • “Me” is the objective case of “I”.
    (「me」は「I」の目的格です。)

発音

  • object(名詞):オブジェクト(/ˈɒb.dʒɪkt/)※第1シラブルにアクセント
  • object(動詞):オブジェクト(/əbˈdʒekt/)※第2シラブルにアクセント
  • objective:オブジェクティヴ(/əbˈdʒek.tɪv/)

3. 目的語の種類と主な文型

英文脈の中で目的語がどのように配置されるか、3つの種類と文型(第3文型・第4文型)を解説します。

① Direct Object(直接目的語):第3文型 (SVO)

Direct Object(DO: 直接目的語) は、動作の「直接の対象」となる語句です。日本語の「〜を」「〜を対象に」に相当します。

主語 (S) + 動詞 (V) + 目的語 (O) からなる 第3文型 (SVO) を構成します。

Subject (S) Verb (V) Direct Object (O) 意味
He bought a new car. 彼は新しい車を買った。
They play soccer every Sunday. 彼らは毎週日曜日にサッカーをする。
She knows the answer. 彼女はその答えを知っている。

② Indirect Object(間接目的語):第4文型 (SVOO)

Indirect Object(IO: 間接目的語) は、動作の受け手や受益者を表し、日本語の「〜に」に相当します。

主語 (S) + 動詞 (V) + 間接目的語 (O1) + 直接目的語 (O2) からなる 第4文型 (SVOO) を構成します。語順は典型的には 「〜に(受け手)」+「〜を(対象・物)」 となります。

S V Indirect Object (IO) Direct Object (DO) 意味
My boss offered me a promotion. 上司は私に昇進を打診した。
He sent her an email. 彼は彼女にメールを送った。
My mother made us lunch. 母は私たちに昼食を作ってくれた。

第4文型(SVOO)から第3文型(SVO + 前置詞 + O)への書き換え

語順を入れ替えて「物」を先に置く場合、間接目的語の前に前置詞(tofor)を添えて第3文型に書き換えることができます。

  • to を取る動詞(相手への移動・伝達): give, send, pass, show, teach, tell など
    He gave me a book.He gave a book to me.
  • for を取る動詞(相手のための調達・作成): buy, make, cook, find, choose など
    She bought him a watch.She bought a watch for him.

③ Prepositional Object(前置詞の目的語)

前置詞(in, at, on, for, with, about など)の直後に置かれる名詞句や動名詞を 前置詞の目的語(Object of a Preposition) と呼びます。

例文 前置詞 前置詞の目的語 意味
We talked about the movie. about the movie 私たちはその映画について話した。
Thank you for helping me. for helping me(動名詞) 助けてくれてありがとう。
She is interested in learning languages. in learning languages 彼女は言語を学ぶことに興味がある。

※前置詞の後ろに代名詞を置く場合、必ず 目的格(me, him, her, us, them) になります(例:with himwith he)。

4. 【重要】Object(目的語)と Complement(補語)の見分け方

文法学習で最も混同しやすいのが Object(目的語: O)Complement(補語: C) の違いです。

文型判定の目安:イコール(=)関係が成立するか!
S = C(主語=補語): 主語の状態・性質を補足説明する ➔ 補語 (Complement)
S ≠ O(主語 ≠ 目的語): 主語とは別の対象に働きかける ➔ 目的語 (Object)
※文構造を素早く見分けるための実践的な判定基準です(再帰代名詞を除く)。

① SVC(第2文型)と SVO(第3文型)の比較

例文 関係性 要素の判定 文型
He became a doctor. He = a doctor a doctorC SVC(第2文型)
He met a doctor. He ≠ a doctor a doctorO SVO(第3文型)

② SVOO(第4文型)と SVOC(第5文型)の比較

目的語が2つ並んでいるように見える文でも、後ろの要素と前の要素(O)に「=(イコール)」の関係があるかどうかで見極められます。

例文 関係性 構造解析 文型
He made me a cake. me ≠ a cake O1 (me) + O2 (cake) SVOO(第4文型)
(私にケーキを作った)
He made me happy. me = happy O (me) + C (happy) SVOC(第5文型)
(私を幸せにした)
We named the dog Pochi. the dog = Pochi O (dog) + C (Pochi) SVOC(第5文型)
(犬をポチと名付けた)

5. 目的語になれる語句の種類

目的語の位置(動詞や前置詞の後ろ)には、単一の名詞だけでなく、さまざまな「名詞相当語句」が入ることができます。

分類 例文 解説
名詞・代名詞 I saw him. / She bought a book. 最も基本的な目的語の形。代名詞は目的格。
動名詞 (-ing) I enjoy playing video games. 「〜すること」の意味。前置詞の目的語にもなる。
To不定詞 (to V) She wants to study abroad. to + 動詞の原形からなる句が目的語として機能する。
that節(名詞節) I know that he is honest. 「〜ということ」を意味する節全体が目的語。
wh節・if/whether節 I don't know what he wants. / Ask if he is free. 疑問詞節や「〜かどうか」を表す節。

6. 自動詞(Intransitive)と他動詞(Transitive)

動詞が「目的語を直接とるかどうか」によって、他動詞自動詞 に分類されます。

他動詞 (Transitive Verb / vt.)

直接目的語を必要とする動詞 です。動作の影響が直接相手に及ぶため、前置詞なしで名詞を続けます。

例:discuss the problem(問題を話し合う)/ marry her(彼女と結婚する)/ reach the station(駅に着く)

自動詞 (Intransitive Verb / vi.)

直接目的語をとらない動詞 です。対象となる名詞を続けたい場合は前置詞を伴う構造になり、前置詞の後ろの名詞は「前置詞の目的語」となります。

例:look at the picture(絵を見る)/ listen to music(音楽を聴く)/ apologize for the mistake(ミスを謝る)

【注意!日本人が間違えやすい他動詞】
日本語の助詞(「〜と」「〜について」)につられて前置詞を入れてしまいがちですが、これらは目的語を直にとる他動詞です。
❌ We discussed about the project.
⭕ We discussed the project.(プロジェクトについて話し合った)

❌ He married with her.
⭕ He married her.(彼女と結婚した)

7. 知っておくと役立つ Object の豆知識

① 仮目的語 (Formal / Preparatory Object) it

SVOC の文型で、目的語(O)に to不定詞that節 などの長いカタマリが来ると頭重(バランスが悪く)になるため、目的語の位置に仮の it を置き、真の目的語を後ろに回します。

I found it difficult to learn English.
(英語を学ぶことは難しいと分かった)

② 同源目的語 (Cognate Object)

本来は自動詞として使われる動詞が、それと同根(同じ語源・類似した意味)の名詞を目的語に取ることがあります。

  • live a happy life(幸せな生活を送る)
  • sleep a sound sleep(熟睡する)
  • sing a sweet song(美しい歌を歌う)

③ 関係代名詞(目的格)の省略

関係節内で目的語の役割を果たす関係代名詞(whom, which, that)は、日常会話や一般的な英文では省略されることが非常に多いです。

The book (which) I bought yesterday is interesting.
(私が昨日買った本はおもしろい。)

④ 受動態(受け身)との関係

「能動態の目的語(O)」が「受動態の主語(S)」に繰り上がる のが受け身の文の基本原則です。したがって、直接目的語を持たない通常の自動詞の文は原則として受動態にできません。

He built the house. (SVO)The house was built by him.

8. FAQ(よくある質問)

Q1. Object(目的語)と Subject(主語)の違いは何ですか?

A. Subject(主語)は「動作を行う主体」、Object(目的語)は「動作を受ける対象」です。
例:The cat (S) caught the mouse (O). では、猫が動作の実行者、ネズミが動作を受ける対象です。

Q2. 目的語になれるのは名詞だけですか?

A. 名詞のほか、代名詞、動名詞、To不定詞、名詞節(that節など)が目的語になれます。
役割として「名詞と同じ働きをする語句」であれば、単語だけでなく節やフレーズも目的語になれます。

Q3. SVOO と SVOC の簡単な見分け方は?

A. 後ろの2つの要素に「=(イコール)」が成り立つかどうかで判定します。
He made me a doctor.(me = doctor ➔ SVOC:私を医師にした)
He made me a coffee.(me ≠ coffee ➔ SVOO:私にコーヒーを入れた)

Q4. discuss や marry などの他動詞の直後に前置詞を書いてはいけないのはなぜですか?

A. 他動詞自体が目的語を直接取る力を持っているためです。
discussmarry は他動詞なので、目的語の前に aboutwith などの余分な前置詞を入れる必要がありません。(※ただし provide A with B のように、目的語の後ろに特定の withfor などの前置詞句を従える他動詞構文もあります)

Q5. 「前置詞の目的語」とは何ですか?

A. 前置詞の後ろに続けて置く名詞句や動名詞のことです。
in Tokyoabout musicTokyomusic が前置詞の目的語にあたります。代名詞を入れる場合は目的格(me, him 等)にします。

Q6. 仮目的語の it はどのような場面で使われますか?

A. 主に SVOC 文型で、目的語が to不定詞や that節になり長くなる場面で使われます。
I think it important to read books.(本を読むことが重要だと思う)のように、文構造をすっきり整理するために使います。

Q7. 不定詞と動名詞、どちらも目的語になれますか?

A. はい。ただし動詞によってどちらを取るかが決まっています。
enjoyfinish は動名詞(-ing)のみ、wantdecide は to不定詞のみを目的語に取ります。また前置詞の直後は動名詞しか使えません。

Q8. 目的語がない文を受動態(受け身)にできますか?

A. 原則としてできません。
受動態は「能動態の目的語」を主語に据える文法変化なので、目的語(O)を持たない第1文型(SV)や第2文型(SVC)の文は受動態に変換できません。

9. まとめ

Object(目的語)を理解するための重要ポイントを整理します。

  1. Object は動詞の動作や前置詞の「対象(〜を、〜に)」となる語句
  2. Direct Object(直接目的語) は「〜を」(SVO: 第3文型)
  3. Indirect Object(間接目的語) は「〜に」(SVOO: 第4文型)
  4. 前置詞の直後に置かれる語句を 前置詞の目的語 と呼ぶ
  5. 目的語になれる代名詞は 目的格(me, him, her, us, them)
  6. O と C の見分け方:「イコール関係(=)になるのが C」、「= にならないのが O」を判定基準にする
  7. 目的語には名詞句、動名詞、To不定詞、名詞節(that節など)が入ることができる
  8. 他動詞 は目的語を直接取り、自動詞 は前置詞を伴って名詞(前置詞の目的語)を従える
  9. SVOC で目的語が長い場合は 仮目的語の it を利用する
  10. 受動態(受け身)を作るには文に Object(目的語)が存在することが必須

目的語(O)の性質や補語(C)との違いが見分けられるようになると、複雑な長文でも文構造(5文型)を一瞬で見破れるようになります。英文読解・英作文の土台としてぜひマスターしてください。

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