Phrasal Verb(句動詞)とは?種類・ルール・使い方を徹底解説

英語の日常会話・ビジネス・資格試験で必須となる句動詞(Phrasal Verb)の構造(動詞+副詞/前置詞)や分類(自動詞・他動詞・分離可能・分離不可能)、目的語の位置ルールまで詳しく解説します。

英語学習や日常会話、ビジネスメール、資格試験(TOEIC/英検など)で避けて通れないのが phrasal verb(句動詞) です。

turn onlook forgive uppick upcome up with など、英語には「短い基本動詞 + 小詞(副詞や前置詞)」でできた表現が数多く存在します。

この記事では、句動詞をスムーズに使いこなすための次のポイントをわかりやすく整理します。

  • phrasal verb の基本的な意味と構造
  • 自動詞・他動詞・分離可能(separable)・分離不可能(inseparable)の違い
  • 【重要】turn it onturn on it の語順ルール
  • 日常会話・ビジネス・TOEICで頻出する重要句動詞
  • 1語のフォーマルな動詞(例:cancel, postpone)との使い分け
  • 前置詞・副詞(up, off, out など)のコア・イメージを使った効率的な覚え方

1. まず押さえる!Phrasal Verb は「動詞+副詞/前置詞」の複合表現

phrasal verb(句動詞) は、基本動詞(give, take, get, turn など)と、副詞や前置詞(up, off, in, out など)が結びついて、1つの塊として機能する動詞表現です。

日本語では「句動詞」「複合動詞」「群動詞」などと呼ばれます。単語ごとの元の意味から離れ、全体で別の新しい意味になることが多いのが大きな特徴です。

Cambridge Dictionary では、phrasal verb を「動詞と副詞または前置詞(あるいはその両方)の組み合わせで、それぞれの単語を個別に見た場合とは異なる意味を持つもの」として紹介しています。
[Cambridge Dictionary: Phrasal verbs and multi-word verbs]

Phrasal Verb の全体像

句動詞(広義の多語動詞)は、目的語をとるかどうか(自動詞/他動詞)や、語句を間に挟めるかどうか(分離可能性)によって次のように分類されます。

Phrasal Verb(句動詞 / 多語動詞)
├── 自動詞(Intransitive: 目的語をとらない)
│    └── wake up, take off(離陸する), sit down など
├── 他動詞(Transitive: 目的語をとる)
│    ├── 分離可能(Separable: 目的語を間に挟める)
│    │    └── turn on, pick up, call off など
│    └── 分離不可能(Inseparable: 目的語を挟めない)
│        └── look for, run into, look after など
└── 3語の句動詞(Phrasal-prepositional verbs: 動詞+副詞+前置詞)
    └── come up with, look forward to, run out of など

※厳密な言語学の分類では、「動詞+副詞」を phrasal verb、「動詞+前置詞」を prepositional verb(前置詞動詞)と区別することがあります。ただし、一般的な英語学習書や辞書(Cambridge や Oxford など)では、学習上の便宜からこれらを総括して Phrasal Verbs(句動詞 / 多語動詞) として解説するのが一般的です。

代表例で比較

句動詞 構成 分類の目安 意味
wake up 動詞 + 副詞 自動詞(目的語なし) 目が覚める
turn on 動詞 + 副詞 他動詞(分離可能) (電気などを)つける
look for 動詞 + 前置詞 他動詞(分離不可能) 〜を探す
run out of 動詞 + 副詞 + 前置詞 3語の句動詞(分離不可) 〜を使い果たす・切らす

2. 関連語・構成要素:「動詞」「Particle」「前置詞」の違い

句動詞を理解する上で、文法解説でよく使われる用語「particle(小詞 / パティクル)」を知っておくと便利です。

用語 品詞・役割 代表例 説明
Main verb 主要動詞 give, take, look, turn 時制や主語に応じて変化(give → gave)する文の中心動詞
Particle 小詞(副詞的要素) up, off, in, out, on 動詞と結びついて意味や働きを大きく変える短語
Preposition 前置詞 for, after, into, with 直後に必ず目的語(名詞・代名詞等)を伴って句を作る語

例文による構成の変化

  • He gave up smoking.(彼はタバコをやめました。:gave=過去形動詞、up=particle)
  • She is looking for her keys.(彼女は鍵を探しています。:looking=現在分詞動詞、for=前置詞)

3. 句動詞(Phrasal Verb)の4つの主要分類

文法構造の観点から、句動詞は大きく4つのパターンに分かれます。

① 自動詞パターン(目的語をとらない)

目的語(〜を)を後ろに置かず、動詞+副詞(particle)だけで文が完結するタイプです。目的語がないため、挟み込みの位置を気にする必要はありません。

句動詞 意味 例文
wake up 目を覚ます I usually wake up at 6 a.m.
take off (飛行機が)離陸する The plane took off on time.
grow up 成長する、大人になる He grew up in London.
break down (機械が)故障する My car broke down yesterday.

② 他動詞パターン(分離可能:Separable)

目的語を必要とする句動詞で、動詞と副詞の間に目的語を挟むことができるタイプです。

句動詞 意味 1語での言い換え例
turn on / off (電気等を)つける / 消す switch on / off
call off 中止する、取り消す cancel
put off 延期する postpone
pick up 拾い上げる、(車で)迎える collect / fetch
fill out (書類に)記入する complete

③ 他動詞パターン(分離不可能:Inseparable)

後ろにつく語が「前置詞」の働きをしている句動詞です。動詞と前置詞を切り離して間に目的語を置くことはできません。

句動詞 意味 正解の順序
look for 〜を探す look for the key ⭕️(look the key for ❌)
look after 〜の世話をする look after the child ⭕️(look the child after ❌)
run into 〜に偶然出会う run into an old friend ⭕️(run an old friend into ❌)

④ 3語で形成される句動詞(Phrasal-prepositional verbs)

「動詞 + 副詞 + 前置詞」の3語がセットになったタイプです。このタイプは原則として分離不可能で、一番後ろの前置詞の直後に目的語を置きます。

句動詞 意味 例文
come up with (考え・案を)思いつく She came up with a great idea.
look forward to 〜を楽しみに待つ I'm looking forward to seeing you.
get along with 〜と上手くやる、親しくなる He gets along with his colleagues.
put up with 〜を我慢する、耐える I can't put up with this noise.

4. 【超重要】目的語の位置ルール(代名詞の挟み込み)

句動詞を学習する上で、英語テストや実際の会話で最も間違いが発生しやすいのが「分離可能な句動詞(Separable Phrasal Verbs)」における目的語の位置ルールです。

1. 目的語が「普通の名詞」の場合:どちらでもOK

目的語が具体的な名詞(the light, the meeting, my coat など)の場合、副詞の後ろに置くことも、動詞と副詞の間に挟むこともできます。

・Please turn on the light. ⭕️(後ろに置く)
・Please turn the light on. ⭕️(間に挟む)

2. 目的語が「代名詞(it, them, him, her, me)」の場合:必ず間に挟む!

分離可能な句動詞で目的語が代名詞に変わった場合、必ず「動詞と副詞(particle)の間」に挟まなければならないという規則があります。

[正しい語順] Please turn it on. ⭕️
[誤った語順] Please turn on it. ❌
目的語の種類 パターン A(間に挟む) パターン B(末尾に置く)
名詞 (the TV) Turn the TV on. ⭕️ Turn on the TV. ⭕️
代名詞 (it) Turn it on. ⭕️ Turn on it. ❌
代名詞 (them) Pick them up. ⭕️ Pick up them. ❌

※この代名詞挟み込みルールは、Cambridge Dictionary をはじめとする主要な英語教材・文法ガイドで最も基本的な文法規則として強調されています。
[Cambridge Dictionary: Phrasal verbs rule]

5. 日常・ビジネスでよく使う代表的な Phrasal Verbs

ビジネスメールや会話、日常のやり取りで頻繁に使われる必須の Phrasal Verbs です。

句動詞 意味 1語での対応表現 主な文脈
figure out 理解する、解明する、考え出す understand / solve 日常・ビジネス
carry out (計画や調査を)実行する execute / conduct ビジネス・学術
look into (問題などを)調査する、調べる investigate ビジネスメール
set up 設立する、設定する、準備する establish / arrange ビジネス・IT
find out (事実などを)知る、発見する discover 日常・会話
check out 確認する、調べる、退室する verify / inspect 日常・ホテル
give up 諦める、やめる quit / abandon 日常全般

フォーマル動詞(1語)との使い分け

日常会話やカジュアルなやり取りでは Phrasal Verb がよく使われ、フォーマルな報告書や公式な文章では1語のラテン語由来の動詞(cancel, postpone など)が選ばれる傾向があります。

[口語・通常のビジネス] We had to call off the meeting.
[フォーマルな文章] We had to cancel the meeting.(我々は会議を取り消さざるを得なかった。)

6. 英語学習・試験(TOEIC/英検など)で役立つ Phrasal Verbs

TOEIC L&R テストや英検(準1級〜1級)、TOEFL などの読解や語彙問題で頻繁に登場する重要な多語動詞表現です。

句動詞 意味 例文
account for 〜の理由を説明する、〜の割合を占める Sales in Asia account for 40% of our revenue.
bring about 〜を引き起こす、もたらす The new policy brought about significant changes.
take over (事業や職務を)引き継ぐ、買収する Ms. Smith will take over the department.
point out 指摘する、明らかにする The report pointed out several errors.
turn out 結局〜であることが判明する The rumor turned out to be true.

7. 知っておくと役立つ Phrasal Verb の豆知識

① 前置詞/副詞の「イメージ(コア)」で覚える

句動詞を単語カードのように丸暗記しようとすると限界が来ます。後ろにつく particle の「コアのニュアンス」を捉えるのがコツです。

  • up: 完全・完了(give up = 完全に手放す→諦める / clean up = 完全に綺麗にする)
  • off: 離脱・中断(call off = 呼び離す→中止する / take off = 離れる→離陸・脱ぐ)
  • out: 外へ・出現・徹底(find out = 見つけて外に出す / figure out = 考え抜いて解を出す)

② Phrasal Verb から派生した「名詞」

句動詞の語順をつなげて1つの名詞にした単語が多く存在します。アクセントは前にきます。

  • set up(動詞:設定する) → setup(名詞:設定・構成)
  • break through(動詞:突破する) → breakthrough(名詞:飛躍的進歩)
  • work out(動詞:運動する) → workout(名詞:トレーニング・運動)

③ イディオム(Idiom)との関係

Phrasal Verb(句動詞)は、動詞と小詞が組み合わさる「構造上の分類」です。sit down のように直接的な意味の表現もあれば、give up のように各単語から意味が推測しにくいイディオム性の強い表現まで幅広く存在します。

④ 辞書検索(sth / sb)表記の読み方

辞書で put sth off のように動詞と小詞の間に sth(something)が入っている表記は分離可能な句動詞を示していることが多く、look after sb/sth のように後ろにまとめられているものは分離不可能なタイプを示しています。凡例や文法表示(separable / inseparable)も合わせて確認しましょう。

8. FAQ(よくある質問)

Q1. phrasal verb は「句動詞」のことですか?

A. はい、日本語では「句動詞」または「群動詞」と訳されます。
「動詞+副詞/前置詞」の組み合わせで2語以上が集まり、1つの動詞単位として働く表現を指します。

Q2. 代名詞(it や them)の位置を間違えると意味が通じませんか?

A. 相手に意味は伝わりますが、文法的に不自然に聞こえます。
分離可能な句動詞で turn on it と言うとネイティブスピーカーには強い違和感を与えます。代名詞の場合は必ず turn it on と間に挟んで発音しましょう。

Q3. call off と cancel はどちらを使えば良いですか?

A. 基本的な意味は同じですが、使用する場面(レジスター)が異なります。
日常会話や会話調のビジネス連絡では call off が自然で、公式発表や厳格な文書では cancel が好まれます。

Q4. 句動詞の数が多すぎて覚えられません。コツはありますか?

A. 「動詞単体」ではなく、「up」「off」「out」などの副詞・前置詞のイメージと組み合わせて覚えるのが近道です。
例えば off=「離れる・中断する」と覚えると、take off(離陸), call off(中止), turn off(切る)の共通イメージが掴みやすくなります。

Q5. 3語の句動詞(look forward to など)は間に目的語を挟めますか?

A. 原則として挟めません。
3語で形成される句動詞(Phrasal-prepositional verbs)の多くは分離不可能で、目的語は必ず最後の前置詞の直後に置きます。

Q6. phrasal verb はビジネス論文やアカデミックな文章で使っても大丈夫ですか?

A. 使えますが、頻度や語彙の選択に配慮が必要です。
学術論文や厳格な報告書では、carry out よりも conductlook into よりも investigate などの1語動詞が好まれる傾向があります。

Q7. prepositional verb(前置詞動詞)との違いは何ですか?

A. 組み合わせの相手が「副詞」か「前置詞」かの文法的な違いです。
前置詞がついている場合(look for me)は間に目的語を挟めませんが、一般的な英語学習では両者をまとめた総称として Phrasal Verbs と呼ぶことが多くなっています。

Q8. Phrasal Verb の受動態はどう作りますか?

A. 句動詞全体を崩さずに1つの動詞セットとして扱います。
例えば They called off the meeting. の受動態は The meeting was called off. となり、off を付け忘れないよう注意します。

9. まとめ

Phrasal Verb(句動詞)をマスターするための重要ポイントを整理します。

  1. Phrasal Verb(句動詞)は「基本動詞 + 副詞/前置詞」の複合表現
  2. 単語個々の意味から発展し、全体として新しい意味を形成することが多い
  3. 自動詞(目的語なし)と他動詞(目的語あり)のパターンに分けられる
  4. 他動詞には分離可能(Separable)分離不可能(Inseparable)が存在する
  5. 分離可能な句動詞で目的語が代名詞(it/them等)の場合、必ず間に挟む(turn it on)
  6. 3語で構成される句動詞(come up with 等)は原則分離不可能
  7. 日常会話や口語表現では、難解な1語の動詞よりも句動詞がよく使われる
  8. 辞書での sth / sb の表記位置や凡例で分離可能性を判断できる
  9. 前置詞・副詞のコア・イメージ(up, off, out など)を理解すると格段に覚えやすくなる
  10. TOEICやビジネスメールでも頻繁に登場するため、フレーズごと記憶するのが効果的

句動詞は英語の自然な会話やコミュニケーションに欠かせない要素です。
文法ルール(特に代名詞の挟み込み語順)と前置詞・副詞のイメージを押さえておくことで、自信を持って英会話や英文作成に応用できるようになります。

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