英語で「〜のもの」と所有関係を表すときに使うのが possessive pronoun(所有代名詞) です。
mine(私のもの)、yours(あなたのもの)、theirs(彼らのもの)などはおなじみの単語ですが、my
や your などの所有限定詞(所有形容詞)との混同や、アポストロフィーの有無(it's と
its など)でミスが起きやすい分野でもあります。
この記事では、次のポイントをわかりやすく整理します。
- possessive pronoun(所有代名詞)の基本的な意味と役割
- 所有代名詞(mine)と所有限定詞(my)の決定的な違い
- 人称ごとの所有代名詞・所有限定詞一覧表
- 文頭・文末での使い方(主語・目的語・補語)
- 「a friend of mine」などの二重所有格(double genitive)
- アポストロフィーの誤用(
your'sやit's / itsの罠)
1. まず押さえる!Possessive Pronoun の基本概念
possessive pronoun(所有代名詞) は、「所有を表す語句+名詞」の役割を1語で兼ね、単独で「〜のもの」を表す代名詞です。文構造としては単独で名詞句(Noun Phrase)として機能します。
すでに文脈上明らかになっている名詞の重複を避け、文をすっきりと簡潔にするために使われます。
具体例で見る役割
→ This is my car, and that is yours.(これは私の車で、あれはあなたのものです。)
上記のように、your car という「所有限定詞+名詞」の繰り返しを yours 1語で置き換えることができます。
├── Possessive Determiner(所有限定詞)(従来の文法では所有形容詞とも呼ばれる)
│ └── my, your, his, her, its, our, their(通常、後ろに名詞や名詞相当語句を伴う)
└── Possessive Pronoun(所有代名詞)(独立所有代名詞とも呼ばれる)
└── mine, yours, his, hers, ours, theirs(単独で名詞句として機能する)
文法書によっては、my や your を「所有代名詞の限定用法(または所有形容詞)」と呼び、mine や
yours を「独立所有代名詞(absolute possessive pronoun)」と呼んで区別することもあります。
2. 【重要】所有代名詞(mine)と所有限定詞(my)の違い
英語学習者が最も混同しやすいのが、「所有代名詞(possessive pronoun)」と「所有限定詞(possessive determiner)」の違いです。
| 区分 | 文法上の名称 | 主な単語 | 後ろに名詞が必要か |
|---|---|---|---|
| 所有限定詞 (所有形容詞) |
Possessive Determiner | my, your, his, her, its, our, their | 必要(名詞などを修飾する) 例: This is my book. |
| 所有代名詞 | Possessive Pronoun | mine, yours, his, hers, ours, theirs | 不要(単独で名詞句として機能) 例: This book is mine. |
使い分けの比較例文
- Is this your coat?(これはあなたのコートですか? → 限定詞
your+ 名詞coat) - Is this coat yours?(このコートはあなたのものですか? → 代名詞
yours単独) - [誤り] Is this yours coat?(❌ 所有代名詞の後ろに名詞を置いてはならない)
3. 所有代名詞・所有限定詞の一覧表
人称代名詞の変化の中で、所有代名詞(〜のもの)と所有限定詞(〜の)を一覧で整理します。
| 人称・数 | 主格(〜は) | 所有限定詞(〜の) | 所有代名詞(〜のもの) |
|---|---|---|---|
| 1人称 単数 | I | my(私の) | mine(私のもの) |
| 2人称 単数・複数 | you | your(あなたの) | yours(あなたのもの) |
| 3人称 単数(男性) | he | his(彼の) | his(彼のもの) |
| 3人称 単数(女性) | she | her(彼女の) | hers(彼女のもの) |
| 3人称 単数(中性・物) | it | its(それの) | -(通常使われない) |
| 1人称 複数 | we | our(私たちの) | ours(私たちのもの) |
| 3人称 複数 | they | their(彼らの) | theirs(彼らのもの) |
| 疑問詞 | who | whose(誰の) | whose(誰のもの) |
- his と whose は、所有限定詞としても所有代名詞としても同じ形を使います。
- 現代標準英語では、its を独立した所有代名詞(単独で「それのもの」)として使うことは極めてまれです。
yours,hers,ours,theirsは所有限定詞に-sを付けたような形をしていますが、mine・his・whoseはこの規則とは異なる点に注意しましょう。
4. 所有代名詞の文中での役割(主語・目的語・補語)
所有代名詞は名詞句として機能するため、文の中で主語(S)、目的語(O)、補語(C)になることができます。
① 主語(Subject)として使う
所有代名詞が指す元の名詞が単数か複数かによって、受ける動詞の単数形・複数形が決まります。
- My phone is broken. Yours works
fine.
(私のスマホは壊れています。あなたのはちゃんと動きますね。) →Yours= your phone(単数扱い) - Her shoes are dirty, but mine are
clean.
(彼女の靴は汚れていますが、私のは綺麗です。) →mine= my shoes(複数扱い)
② 補語(Complement)として使う
be動詞の後ろなどで「〜のものです」と説明する最も標準的なパターンです。
- That umbrella on the table is
hers.
(テーブルの上の傘は彼女のものです。) - Which luggage is ours?
(どれが私たちの荷物ですか?)
③ 目的語(Object)や比較対象として使う
他動詞の目的語や、比較構文での比較対象としても使われます。
- You forgot your pen? You can use mine.
(ペンを忘れたの? 私のを使っていいよ。) → 動詞useの目的語 - Our team finished earlier than
theirs.
(私たちのチームは彼らのチームよりも早く終わりました。) → 比較のthanの後ろで比較対象を表す
5. 【頻出】二重所有格(Double Genitive)
「私の友人の一人」を英語で言う際、a my friend
とは言えません。英語では冠詞(a/an/the)や指示限定詞(this/that)と所有限定詞(my/your等)を重ねて名詞の前に置くことができないルールがあるためです。
この場合に用いられるのが、「名詞 + of + 所有代名詞」の形をとる 二重所有格(double genitive / double possessive) です。
| 誤った表現(不可) | 正しい表現(二重所有格) | 意味 |
|---|---|---|
| ❌ a my friend | ⭕ a friend of mine | 私の友人(の一人) |
| ❌ this your idea | ⭕ this idea of yours | あなたのこのアイデア |
| ❌ that her dog | ⭕ that dog of hers | 彼女のあの犬 |
| ❌ some our colleagues | ⭕ some colleagues of ours | 私たちの同僚の何人か |
固有名詞の場合の二重所有格
人名などの固有名詞を使う場合も、of の後ろに 's をつけた形を用いるのが一般的で自然です。
※「a colleague of Ken」も文脈によって使われますが、「a colleague of Ken's」とする形が典型的な二重所有格のパターンです。
6. 間違いやすいポイントと注意点
① 所有代名詞にアポストロフィーは絶対に付けない
所有代名詞の語尾の s にアポストロフィーをつけてしまう誤りが非常に多く見られます。
- ❌
your's/her's/our's/their's - ⭕ yours / hers / ours / theirs
② its(所有限定詞)と it's(短縮形)の混同
ネイティブスピーカーでも頻繁に書き間違える最頻出ポイントです。
- its:「それの」(所有限定詞)
例: The dog wagged its tail. - it's:「it is」または「it has」の短縮形(contraction)
例: It's raining today.
③ whose(誰の/誰のもの)と who's(who is)
発音が同一(/huːz/)であるため混同しやすいペアです。
- whose: 所有を表す疑問詞(誰の/誰のもの)
例: Whose bag is this? / Whose is this? - who's:
who isまたはwho hasの短縮形
例: Who's coming to the party?
④ 所有代名詞の直後に名詞を続けない
所有代名詞は単独で名詞句として機能するため、後ろに名詞を重ねることはできません。
❌ This is mine pen. → ⭕ This is my
pen. / This pen is mine.
7. FAQ(よくある質問)
Q1. possessive pronoun は日本語で何と言いますか?
A. 「所有代名詞(しょゆうだいめいし)」と訳されます。
mine(私のもの)や yours(あなたのもの)のように、単独で「所有者+所有物」を表す代名詞です。
Q2. my と mine は何が違うのですか?
A. my は通常後ろに名詞が必要ですが、mine は単独で使えます。
my は「私の」という意味で名詞を修飾する「所有限定詞」です(例: my book)。mine
は「私のもの」という意味の「所有代名詞」で、単独で名詞句として機能します(例: The book is mine)。
Q3. his は所有限定詞と所有代名詞で同じ形ですか?
A. はい。どちらも「his」という同一の形を使います。
This is his car.(彼の車:所有限定詞)と、This car is
his.(彼のもの:所有代名詞)のどちらの用法でも his を使います。
Q4. it の所有代名詞「its(それのもの)」は使えますか?
A. 現代英語では基本的に使われません。
its を単独で「それのもの」として使うのは極めてまれで不自然とされており、通常は its own
や元の名詞を繰り返す表現などに言い換えます。
Q5. なぜ「a my friend」と言ってはいけないのですか?
A. 英語では a/an と my などの限定詞を重ねて使えないルールがあるためです。
そのため、二重所有格を使って a friend of mine(私の友人の一人)と表現します。
Q6. yours にアポストロフィーをつけて「your's」と書くのは正しいですか?
A. 誤りです。アポストロフィーは絶対に付けません。
人称代名詞の所有代名詞(yours, hers, ours, theirs)には一切アポストロフィーをつけないのが正解です。
8. まとめ
Possessive Pronoun(所有代名詞)を正しく使いこなすための重要ポイントを整理します。
- 所有代名詞(mine, yours等)は「〜のもの」を意味し、単独で名詞句として機能する
- 所有限定詞(my, your等)は通常、後ろに名詞などを伴う(名詞を修飾・限定する)
hisとwhoseは所有限定詞としても所有代名詞としても同じ形を使う- 二重所有格(
a friend of mine/this car of yours)の形をマスターする - 所有代名詞には アポストロフィーをつけない(❌
your's/her's/their's) - its(それの) と it's(it is の短縮形)、whose と who's の混同に注意する
所有代名詞を正しく使えるようになると、同じ名詞のくどい繰り返しを避け、自然で洗練された英文を書いたり話したりできるようになります。
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