英語学習で多くの人がつまずきやすい重要項目のひとつが relative pronoun(関係代名詞) です。
who、which、that、whose、whom
などは、先行詞となる名詞を後ろから詳しく説明する関係詞節を導きます。一方、what は先行詞を含み、「〜すること・もの」を表す名詞節を作る特殊な関係代名詞です。
この記事では、次の重要ポイントをわかりやすく体系的に整理します。
- 関係代名詞の基本的な仕組み(先行詞を受け、節内で主語や目的語を担当する)
- 先行詞(人・物)と格(主格・目的格・所有格)の一覧と見分け方
who,which,thatの使い分けとよくあるパターン- 先行詞を含み「〜のこと/もの」を意味する
what(融合関係代名詞) - 制限用法(限定用法)と非制限用法(継続用法・カンマあり)の違い
- 関係代名詞の省略ができるケース・できないケース
- 前置詞 + 関係代名詞(フォーマルな
in which/with whomと口語表現)
1. 関係代名詞とは?「2つの文をつなぐ橋渡し」
relative pronoun(関係代名詞) とは、前の名詞(先行詞:antecedent)を受けながら関係詞節を導き、同時にその節の中で主語・目的語・所有格などの役割を果たす語です。
学習上は「文をつなぐ接続詞の働き」と「名詞の代わりをする代名詞の働き」を1語で兼ね備えていると考えると理解しやすいでしょう。
Cambridge Grammar でも、関係代名詞節(relative clauses)を導き、人や物についての追加情報を与える語として解説されています。
[Cambridge Dictionary:
Relative pronouns]
2つの文が1つになる仕組み
関係代名詞がどのように2つの文を合体させるのかを見てみましょう。
文B:She speaks four languages.(彼女は4言語を話します)
↓ 共通する
a friend と She を合体(代名詞 she を
who に変化)合体文:I have a friend who speaks four languages.(私には4言語を話す友達がいます)
このように、修飾される前の名詞を「先行詞(Antecedent)」、関係代名詞が導く後ろのまとまりを「関係詞節(Relative clause)」と呼び、関係詞節全体が大きな形容詞のように先行詞を修飾します。
2. 先行詞と格による関係代名詞の一覧表
関係代名詞を選ぶときは、「① 先行詞が人か物(動物)か」と「② 関係詞節の中でどの格(主語・目的語・所有格)を担当しているか」の2軸で判断します。
| 先行詞 | 主格(〜が) | 目的格(〜を/に) | 所有格(〜の) |
|---|---|---|---|
| 人(Person) | who / that |
whom / who / that / 省略 |
whose |
| 物・動物(Thing / Animal) | which / that |
which / that / 省略 |
whose / of which |
| 先行詞を含む(〜のこと/もの) | what(= the thing(s) that...) |
— | |
※動物は一般に物と同様に扱われますが、ペットなど愛着を持って擬人化して呼ぶ場合には who が用いられることもあります。
格の見分け方
- 主格(Subject): 関係代名詞の後ろに 「動詞(V)」 が続き、関係代名詞自体が節の主語になっている(例:who lives next door)
- 目的格(Object): 関係代名詞の後ろに 「主語+動詞(S+V)」 が続き、他動詞や前置詞の目的語が欠けている(例:which I bought [目的語なし])
- 所有格(Possessive): 「whose + 名詞」 の形をとり、「〜の〇〇」という所有・所属関係を表す(例:whose car was stolen / whose only son lives abroad)
3. 各関係代名詞の詳しい用法と例文
① who / whom(人を先行詞とする)
先行詞が「人」の場合に使用します。関係詞節内で主語の働きをするときは who、目的語の働きをするときは whom または
who を使います。
主格の who
関係代名詞が節の主語となります。
(この建物を設計した男性は有名です。)
目的格の whom / who
関係代名詞が節の目的語となります。フォーマルな文脈では whom、日常会話では
who や that が使われるか、関係代名詞自体が省略されるのが一般的です。
(私が昨日会った女性はとても親切でした。)
② which(物・動物を先行詞とする)
先行詞が「人以外(物、出来事、動物など)」の場合に使用します。主格・目的格ともに同形(which)です。
主格の which
(私は人生を変えた本を読みました。)
目的格の which
(これは父が私にくれたカメラです。)
③ that(人・物の両方に使える万能型)
that は人・物のどちらにも使えるため、制限用法では非常に便利で一般的です(所有格はありません)。主格・目的格のどちらでも使えます。
(私が先週買ったノートPCはとても動作が速いです。)
that がよく用いられるケース
以下のような先行詞の場合、that が好まれて使われる傾向があります。
- 先行詞に最上級の形容詞や序数(first, second)がついている場合(例:the best movie that...)
- 先行詞に
all,every,any,no,the only,the sameなどが含まれる場合 - 先行詞が「人と動物」「人と物」の両方を含んでいる場合
④ whose(所有格:〜の)
「〜の」という所有関係を表します。人だけでなく「物や建物・組織」などの所有格としても広く用いられます。whose + 名詞
の組み合わせで関係詞節を形成します。
| 先行詞の種類 | 例文と解説 |
|---|---|
| 人 | I know a writer whose books are popular
worldwide. (私は著書が世界中で人気のある作家を知っています。) |
| 物・建物 | We stayed at a hotel whose roof had a swimming
pool. (私たちは屋上にプールがあるホテルに滞在しました。) |
⑤ what(先行詞を含む関係代名詞)
what は自分自身の中に先行詞を含んでおり、「〜のこと」「〜のもの」(= the thing(s)
that...)という意味の名詞節を作ります。文法用語では「融合関係代名詞(fused relative
pronoun)」と呼ばれることもあります。そのため、直前に修飾する名詞(先行詞)を置きません。
(彼女が言ったことは完全に真実でした。)
Show me what you have in your bag.(目的語として機能)
(バッグの中に持っているものを見せてください。)
which / that、直前に名詞がなく節全体が「〜のこと」と名詞のように働くなら what を選びます。
4. 【超重要】制限用法(限定用法)と非制限用法(継続用法)の違い
関係代名詞節の前にカンマ(,)が付くかどうかで、文全体の構造や伝わるニュアンスが大きく変わります。
| 項目 | 制限用法(限定用法 / Defining) | 非制限用法(継続用法 / Non-defining) |
|---|---|---|
| カンマ | カンマ なし | カンマ あり(, who / , which) |
| 役割 | 先行詞の範囲を「どれか1つ・特定のもの」に絞り込む(制限する) | すでに特定されている先行詞に「補足・追加情報」を添える |
| that の使用 | 使用 可能 | 使用 不可(that は使えない) |
| 省略 | 目的格なら省略可能 | 省略 不可 |
意味の違いを例文で比較
He has two sons who became doctors.
→ 意味:「彼には医者になった息子が2人いる」(※他に医者以外の息子がいる可能性がある)
② 非制限用法(カンマあり):
He has two sons, who became doctors.
→ 意味:「彼には息子が2人いて、その2人とも医者になった」(※息子は全部で2人だけ)
節・文全体を先行詞にする非制限用法の which
カンマ付きの , which は、直前の単語だけでなく「前の節・文全体の内容」を先行詞として受けることができます。
(彼女はその難関試験に合格したが、そのこと(合格したという事実全体)が皆を驚かせた。)
5. 関係代名詞を省略できるケース・できないケース
実際の会話や文章では、一定の条件下で関係代名詞が省略されます。どのような時に省略でき、どのような時に省略できないのかを整理しておきましょう。
〇 省略できるケース
- 制限用法の目的格:
The movie (which / that) I watched yesterday was amazing.
(名詞+S+V の形となり、いわゆる「接触節」になります) - 関係代名詞 + be動詞 + 分詞・形容詞・前置詞句:
The picture (which was) painted by Picasso is worth millions.
→ 意味を保ったまま省略され、分詞などの後置修飾構造に縮約されます。
× 省略できないケース
- 主格の関係代名詞(単独):
The boy who lives next door is kind.(× The boy lives next door is kind. だと述語動詞 lives と is が衝突) - 所有格(whose): 省略不可
- 非制限用法(カンマの後ろ): 省略不可
- 前置詞の直後: The house in which I live.(in の直後の which は省略不可)
6. 「前置詞 + 関係代名詞」の構造と注意点
関係代名詞が関係詞節内の前置詞の目的語になっている場合、前置詞の位置によって2つのパターンが存在します。
パターンA(前置詞が文末): This is the house (which / that) I was born in.(日常的・口語的)
パターンB(前置詞が前に移動): This is the house in which I was born.(フォーマル・書き言葉)
前置詞 + 関係代名詞で気をつける重要ポイント
- 前置詞の直後には
thatを置けない:
×This is the house in that I was born.
〇This is the house in which I was born./This is the house that I was born in. - フォーマルな構文では、前置詞の直後には
whomを用いる:
フォーマル標準:The person with whom I work...
日常的な口語:The person (who / that) I work with...
7. 関係代名詞と関係副詞(where, when, why など)の違い
関係代名詞とよく混同されるのが relative adverb(関係副詞) です。見分ける最大のポイントは「後ろに続く節が完全か不完全か」です。
| 品詞 | 代表的な語 | 後ろの文構造 | 等価の書き換え |
|---|---|---|---|
| 関係代名詞 | who, which, that | 不完全な文 (主語か目的語が欠けている) |
代名詞の役割 |
| 関係副詞 | where, when, why | 完全な文 (S+V+O など文型が揃っている) |
前置詞 + 関係代名詞 (例: where = in which) |
※ how は通常の関係副詞とは異なり、先行詞 the way
と一緒に用いることは標準英語では避けられます(the way ... または how ... のどちらかを用います)。
先行詞が「場所」のときの比較例
This is the city which I visited last year.(これは私が去年訪れた都市です)
関係副詞 where(後ろが完全:I lived という文型が成立):
This is the city where I lived for five years.(= in which I lived / これは私が5年間住んでいた都市です)
8. FAQ(よくある質問)
Q1. who と that はどちらを使っても同じですか?
A. 日常的な制限用法ではどちらも使えます。
ただし、カンマのある非制限用法(継続用法)では that を使うことができず、必ず who
を使います。また、学術論文やフォーマルな書き言葉では who が好まれる傾向があります。
Q2. whom は現代英語でも使われますか?
A. フォーマルな文体や、前置詞の直後では現在も標準的です。
日常会話では The person (who/that) I met のように who/that
を使うか省略するのが普通です。しかし、with whom や to whom のように前置詞を関係代名詞の直前に置くフォーマルな構文では
whom が用いられます。
Q3. whose は人間以外(物や動物)にも使えますか?
A. はい、現代英語では物や国、建物などにも普通に使われます。
かつては of which が推奨された時代もありましたが、現代英語では a car whose door is broken や
a company whose profits grew のように whose を使うのが簡潔で自然とされています。
Q4. what と that の違いはどう見分ければいいですか?
A. 前に先行詞(修飾される名詞)があるかどうかで見分けます。
前に名詞があり、それを修飾するなら関係代名詞 that / which
を使います。前に名詞がなく、その節全体で「〜すること・もの」という名詞のカタマリ(名詞節)を作るなら what を使います。
Q5. 目的格の関係代名詞はなぜ省略できるのですか?
A. 「名詞 + 主語 + 動詞」という並びで修飾構造が明確にわかるためです。
The book [I read]
のように、名詞の直後に別の「主語+動詞」が続くことで、後ろから説明が加わっていることが文構造上自然に理解できるため、省略が広く認められています(接触節)。
Q6. 関係代名詞節の中の動詞の単複はどれに合わせますか?
A. 基本的には、関係代名詞が指している先行詞の単複に一致させます。
・The student who studies hard...(先行詞 student が単数 →
studies)
・The students who study hard...(先行詞 students が複数 → study)
He is one of the players who are famous. のような構文でも、通常
who は複数名詞(the players)を受けるため複数動詞になります。
9. まとめ
Relative Pronoun(関係代名詞)をマスターするための重要ポイントを整理します。
- 関係代名詞は先行詞を受け、節内で主語や目的語の役割を果たす
- 先行詞(人 / 物) と 関係詞節内での格(主格 / 目的格 / 所有格) で形を決める
thatは万能: 人・物の主格・目的格で使えるが、カンマの後(非制限用法)や前置詞の直後には使えないwhoseは人にも物にも使える所有格(whose + 名詞)whatは先行詞を含み「〜のこと/もの」を意味する名詞節を作る- 制限用法(カンマなし) は特定・絞り込み、非制限用法(カンマあり) は補足説明
- 目的格の関係代名詞 や「関係代名詞 + be動詞(分詞等が続く場合)」は省略できる
- 前置詞 + 関係代名詞: フォーマルでは
in which/with whom、日常会話では前置詞を文末に置く形が一般的
関係代名詞を正しく理解すると、英語の複雑な修飾関係をスムーズに読み解けるようになり、自分でも豊かで表現力の高い英文を組み立てられるようになります。
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