Third Person(三人称)とは?意味・三単現のルール・代名詞一覧を徹底解説

英語学習で避けて通れない「三人称(third person)」の概念、一人称・二人称との違い、三人称単数現在形(三単現の-s/-es)のルール、代名詞の活用や発音のポイントまで詳しく解説します。

英語を学ぶ上で最初期の重要テーマとなるのが third person(三人称) です。

「話している自分(一人称)」でも「聞き手(二人称)」でもない、第三者の人やモノ・事柄を指す文法上の区分を三人称と呼びます。英語では、主語が三人称で単数かつ現在の文であるときに動詞に -s または -es を付ける「三人称単数現在(三単現)」のルールがあり、正確な文法運用の基礎となります。

この記事では、次のポイントをわかりやすく整理します。

  • third person(三人称)の基本的な定義と人称の全体像
  • 一人称(first person)・二人称(second person)との対比
  • 三人称代名詞の一覧(主格・目的格・所有格・所有代名詞・再帰代名詞)
  • 「三単現の -s / -es」の付け方ルールと発音の規則
  • 単数扱い・複数扱いで迷いやすい名詞・代名詞(everyone, singular they など)
  • 物語やライティングにおける「三人称視点(third-person point of view)」
  • よくある疑問を解消する FAQ

1. 人称(Person)の全体像と三人称の位置づけ

文法における person(人称) とは、会話や文章の中で「誰が誰について話しているか」という関係性を示す分類です。
[Cambridge Dictionary: Person]

英語の人称は大きく3つに分けられます。

Grammatical Person(文法上の人称)
├── First Person(一人称): 話し手自身(I, we)
├── Second Person(二人称): 聞き手・相手(you)
└── Third Person(三人称): 話し手と聞き手以外の第三者・モノ・概念
    ├── Singular(単数): he, she, it, John, the book, water など
    └── Plural(複数): they, the students, my dogs など

人称の比較表

人称 対象 単数代名詞 複数代名詞
First person(一人称) 話し手(私・私たち) I we
Second person(二人称) 聞き手(あなた・あなたたち) you you
Third person(三人称) 話題になっている対象(彼・彼女・それ・彼ら・モノ) he, she, it they

I, you, we 以外のすべての普通名詞・固有名詞・不可算名詞(例: Tom, Tokyo, the cat, information)はすべて三人称に分類されます。

2. 三人称代名詞(Third-Person Pronouns)の活用一覧

三人称で使われる代名詞は、格(文の中での役割)や性別、数によって以下のように形が変化します。

種類 主格
(〜は/が)
目的格
(〜を/に)
所有格
(〜の)
所有代名詞
(〜のもの)
再帰代名詞
(〜自身)
男性単数 he him his his himself
女性単数 she her her hers herself
中性単数(モノ・事柄) it it its itself
複数(人・モノ共通) they them their theirs themselves
性別不問単数(Singular They) they them their theirs themselves(口語・非公式で themself も見られる)

※単数の they に対する再帰代名詞は、標準的なライティングや資格試験等では themselves が一般的に推奨されます。

例文

  • He loves his new bicycle.(彼は新しい自転車を気に入っています。)
  • She introduced herself to the class.(彼女はクラスで自己紹介をしました。)
  • The company updated its privacy policy.(その会社はプライバシーポリシーを更新しました。)
  • They decided to change their plans.(彼らは計画を変更することに決めました。)

3. 【最重要】三人称単数現在形(三単現の -s / -es)のルール

英語の一般動詞は、以下の3つの条件がすべて揃ったとき、語尾に -s または -es が付きます。これを日本の英語学習では通称「三単現(さんたんげん)」と呼びます。

【三単現の3条件】
1. 三人称(Third Person)であること:主語が I, you, we 以外(he, she, it, 固有名詞など)
2. 単数(Singular)であること:主語が1人・1つ(they や複数名詞は除外)
3. 現在形(Present Tense)であること:過去形や未来表現、助動詞の後ろではない

語尾の付け方パターン一覧

パターン ルール 具体例
基本形 そのまま -s を付ける work → works
read → reads
play → plays
-s, -sh, -ch, -x, -o で終わる語 -es を付ける pass → passes
wash → washes
watch → watches
box → boxes
go → goes / do → does(※ does の発音は /dʌz/ に変化)
〈子音字 + y〉で終わる語 yi に変えて -es を付ける study → studies
carry → carries
fly → flies
※〈母音字+y〉(play, enjoy)はそのまま -s
不規則変化 特殊な形に変化する have → has

語尾の発音ルール(/s/, /z/, /ɪz/)

-s / -es の発音は、動詞の語尾の音(有声音・無声音・歯擦音)によって決まります。

① /s/ と発音する

無声子音(/p/, /t/, /k/, /f/, /θ/)の直後

  • stops (/stɒps/)
  • meets (/miːts/)
  • cooks (/kʊks/)
  • laughs (/lɑːfs/)

② /z/ と発音する

母音や有声子音(/b/, /d/, /g/, /v/, /m/, /n/, /l/, /r/ など)の直後

  • runs (/rʌnz/)
  • reads (/riːdz/)
  • plays (/pleɪz/)
  • sees (/siːz/)

③ /ɪz/(イズ)と発音する

歯擦音(シビラント:/s/, /z/, /ʃ/, /ʒ/, /tʃ/, /dʒ/)の直後

  • watches (/ˈwɒtʃ.ɪz/)
  • washes (/ˈwɒʃ.ɪz/)
  • kisses (/ˈkɪs.ɪz/)
  • changes (/ˈtʃeɪndʒ.ɪz/)

4. 単数・複数の扱いで迷いやすい三人称の表現

三人称の主語の中には、意味の上では複数に感じられても文法上は単数扱いになるものや、文脈によって扱いが分かれるものがあります。

① 不定代名詞(everyone / somebody / each など)

everyoneeverybody は「みんな」という意味ですが、文法上は「三人称単数」として扱われます。動詞には三単現の -s が付きます。

[正] Everyone knows the answer.(誰もがその答えを知っている。)
[誤] Everyone know the answer. ❌

anyone, somebody, nobody, each, either, neither も同様に単数扱いが原則です。

② 集合名詞(Collective Nouns)の扱い

family, team, committee, staff などの集合名詞は、1つの集団・まとまりとして見る場合は単数扱い構成員一人ひとりに焦点を当てる場合は複数扱いになります。

  • My family is large.(私の家族は大家族です。→ 1つの単位として単数扱い)
  • My family are all early risers.(家族のメンバーはみんな早起きです。→ 各構成員を意識して複数扱い / 主にイギリス英語)

※アメリカ英語では集合名詞を単数扱い(The team is winning.)にする傾向がより強いです。

③ 性別を特定しない「単数の they(Singular They)」

話す相手の性別が不明な場合や、ノンバイナリーの個人を指す場合、三人称単数であっても heshe の代わりに they が広く使われます。

  • If a customer calls, ask them to leave a message.(お客様から電話があったら、伝言を残してもらうよう頼んでください。)
  • Somebody left their umbrella here.(誰かがここに傘を忘れていきました。)

※代名詞自体は they を使うため、主語になる場合の動詞は they are / they have と複数一致の形を取ります。

5. 文学・ライティングにおける「三人称視点(Point of View)」

文学作品やエッセイ、ニュース報道などの文章構成(Narrative Point of View)でも三人称の概念は中心的な役割を果たします。

視点の種類 特徴 主な使用例
First-Person POV
(一人称視点)
「私(I)」の目線で物語る。感情移入しやすいが視野が限定される。 日記、自伝、主観小説
Third-Person Limited
(三人称限定視点)
特定の登場人物(He/She)の視点に寄り添い、その人物の感情や思考のみを描く。 近代小説、推理小説
Third-Person Omniscient
(三人称全知視点)
神のような視点からすべての登場人物の思考や出来事を俯瞰して描く。 古典文学、叙事詩、童話
Third-Person Objective
(三人称客観視点)
登場人物の内面には踏み込まず、客観的な行動や事実だけを描写する。 ニュース報道、学術論文、公的報告書

学術論文・ビジネス文書での三人称

学術論文や公式なビジネス文書では、主観を排して客観性・信頼性を高めるために、一人称(I think... / We found...)の多用を避け、三人称形式(The study indicates... / Researchers observed...)で記述することが推奨されるケースが多くあります。

6. 疑問文・否定文における三人称単数形の注意点

一般動詞の現在形で主語が三人称単数の場合、否定文や疑問文では助動詞 does / doesn't を用います。この際、後ろの動詞は原形(base form)に戻るという文法原則があります。

否定文(does not / doesn't + 原形)

助動詞 does が三単現の役割を担うため、メイン動詞の -s は不要になります。

[正] He doesn't like coffee.
[誤] He doesn't likes coffee. ❌

疑問文(Does + 主語 + 原形 ... ?)

文頭に Does を出し、動詞は原形を使用します。

[正] Does she live in New York?
[誤] Does she lives in New York? ❌

7. FAQ(よくある質問)

Q1. なぜ「三人称(third person)」と呼ぶのですか?

A. 会話の参加者を数える順序に由来します。
「第1の人物=話している自分(一人称)」「第2の人物=相手(二人称)」「第3の人物=その場にいる/いない話題の第三者(三人称)」という位置づけから名付けられました。

Q2. 「my father」や「the cat」は何人称ですか?

A. 三人称単数です。
my が付いていても主語の中心は father(彼)であり、自分自身(I)ではないため三人称単数扱いになります。代名詞以外のすべての単数名詞は三人称単数です。

Q3. they は三人称ですか?

A. はい、三人称複数です。
自分(I)と相手(you)を含まない複数の人やモノを指すため「三人称複数」となります。複数形であるため動詞に三単現の -s は付きません(例: They play soccer.)。

Q4. 過去形の場合も三人称単数の変化はありますか?

A. 一般動詞にはありませんが、be動詞にはあります。
一般動詞の過去形は人称に関わらず一律で同じ形(played, went など)です。ただし、be動詞の過去形は一人称・三人称単数では was、二人称・複数では were と使い分けます。

Q5. can や must などの助動詞があるときはどうなりますか?

A. 動詞に -s は付けず、原形にします。
助動詞(can, will, may, should など)の後ろには常に動詞の原形が続くため、主語が三人称単数でも He can swim. のようになります(※ *He cans swim*He can swims のように、助動詞や後ろの動詞に -s は付きません)。

Q6. its と it's の違いは何ですか?

A. its は所有格(それの)、it's は it is / it has の短縮形(contraction)です。
「その会社の名声」は its reputation と書き、アポストロフィーは付けません。混同しやすいので注意が必要です。

8. まとめ

Third Person(三人称)の要点を整理します。

  1. 三人称とは、話し手(I / we)と聞き手(you)以外のすべての第三者・モノ・概念を指す
  2. 三人称単数代名詞には he, she, it, they(singular they)がある
  3. 「主語が三人称」「単数」「現在形」の3条件が揃ったときに動詞語尾に -s / -es が付く(三単現)
  4. 語尾変化には「そのまま -s」「-es を付ける」「y を i に変えて -es」「have → has」などのルールがある
  5. 発音は語尾の音に応じて /s/, /z/, /ɪz/ の3パターンに分かれる
  6. everyonesomeone などの不定代名詞は文法上「三人称単数」として扱う
  7. 否定文・疑問文では does / doesn't を使い、動詞は原形に戻す

三人称と「三単現のルール」は、英語の語順や動詞活用における最も基本的かつ誤りやすいポイントの一つです。主語が「誰(何)で、単数か複数か」を常に意識して使いこなせるように練習しましょう。

英文法・語法をネイティブ視点で極めるおすすめ書籍
PR

文法用語やルールの暗記にとどまらず、「ネイティブが実際にどう使い分けているか」をアルファベット順(A-Z)で直感的に引ける定番の英文法リファレンスです。

Practical English Usage (Michael Swan)
★ 世界的ロングセラー 英文法・語法リファレンス

Practical English Usage 4th Edition

Michael Swan / Oxford University Press ペーパーバック / 洋書

世界中の英語学習者・英語教師が手元に置くバイブル。「この前置詞はどう使い分ける?」「似た単語のニュアンスの違いは?」といった疑問を即座に解決できる決定版。

Amazon 詳細・レビュー