これ、20年ぐらい前にもサイトに書いたことあったんだけど、まぁ当時のデータ残っていないので、改めて書きます。おそらく色んなところで見聞きしたりしたことがあるかもしれません。
日本語を外国人に教えたことある人「あるある」だと思いますが、日本語の「ん」に関して、その「ん」はどの「ん」なの?と聞かれたことがある人は多いんじゃないかなと思います。
実は日本人は、日本語の「ん」を無意識に3種類、使い分けています。
さんま(サンマ)の「ん」
実際に発音してみて「ん」の時に止めてみましょー。
口は閉じていると思います。
舌は下の歯の裏にあたっていると思います。
その「ん」は 発音記号の[m]の音になります。
かんな(鉋)の「ん」
大工さんの道具のカンナです。
さんま同様、実際に発音してみましょー。そして「ん」で止めてみましょー
口は開いていると思います。
舌は上の歯の裏にあたっていると思います。
その「ん」は発音記号の[n]の音になります。
しんぐ(寝具)の「ん」
先の2つ同様に実際に発音してみましょー。そして「ん」で止めてみましょー
口は開いていると思います。
舌は下でちょっと中?奥?にあると思います。さんまの「ん」より奥にあるのは感じると思います。
その「ん」は発音記号の[ŋ]の音になります。
以上のように、日本人にとって「ん」はひとつだけど、実際は3つの音を出している。
なので混乱するんですよねぇ外国の方は。あと日本人もなんのこっちゃ???となって混乱します。
ほとんどの日本人は自分で違いに気が付くことはなくて、「ん」は「ん」でしょってなると思います。実際に発音してみると、確かに舌の位置が違うなぁと感じても、音は「ん」は「ん」だよなぁと聞こえる人が多いのではないでしょうか。
ちなみに発音記号の[ŋ]ですが、例えば、singは「しんぐ」ではなく「しん」で止めて発音します(寝具のしんと発音していればですが)。なぜならその「ん」は[ŋ]の音になっているから、その後に「グ」と発声しなくてよいのです。日本語発音だと、相手(ネイティブ)には「しんぐぐ」って聞こえてしまいます。グって言ってないのに正しく通じるのかなぁと心配になりますが、[ŋ]の「ん」で止めて発音できていれば大丈夫です。